ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が、日本の化粧品メーカーであるシーズHD(4924)のTOBを発表(情報元➤JPX)しました。
本日のシーズHD(4924)はS高となりました。
TOB(Takeover bid)の設定価格のことなどすこし勉強してみました。
日本のTOB:設定価格のルールは無い
今回のTOBの対象となったシーズHD(4924)の発表前の最終株価は\3,800円、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)によるTOB価格は\5,900ですから、55%のプレミアムがついたことになります。
今年2月に発表された三菱商事(8058)を主とする三菱自動車(7211)へのTOBでは、発表前の最終株価\835に対し、TOB価格が\749だったので、10%のディスカウント。
昨年1月のライザップ(2928)のジーンズメイト(7448)へのTOBでは、発表前の最終株価\209に対し、TOB価格が\160だったので、23%のディスカウント。(ライザップグループ入りでジーンズメイトの株価は逆に上昇するという現象がおきました)
日本ではTOBの価格設定について特にルールは無いので、当事者間の都合によるディスカウントTOBが当たり前のように発生しています。
株主の立場からはディスカウントTOBは少々納得いかないところではあるので、今回のシーズHD(4924)のホルダーさんはとりあえず安堵されているのではないでしょか。
英国のTOB:設定価格のルールが有る
英国のTOBでは『テイクオーバー・コード』というルールがあり、市場価格か買付者が過去12ヶ月に行った買付最高値のいずれか高い方の価格以上に設定しなければいけないそうです。
このルール下では必然的にディスカウントTOBは起きないわけで、株主権利を守るルールになります。
一方、アメリカのTOBでは、買付価格の問題よりも敵対買収やインサイダー買収を防ぐための厳しい規制と審査に重きを置いているようです。
スティール・パートナーズ(SPLP):敵対的TOBの仕掛人
NYSEにも上場しているこの投資会社はかつて日本企業に対するTOBで有名になったので忘れないようにしたいです。
2007年2月にサッポロビール(2501)、5月にブルドックソース(2804)へのTOBといえば思い出す人も多いと思います。
ブルドックソース(2804)の件では裁判にも及んだ敵対買収の仕掛人です。(同社は「敵対買収ではない」と主張しています)
この一件以来、日本でも敵対買収に対する防御対策が問われるようになりました。
というわけで、今日の日経225は落ち着いているようです。
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