魚谷雅彦CEOが就任してから、株価が4倍(クアトロバガー)に跳ね上がった資生堂(4911)のお話です。
企業の成長力はITや新興企業にだけあるものではありません。生活必需系の銘柄にだって期待できると思います。
資生堂(4911) 2018.Q3 決算発表
資生堂(4911)の2018.Q3決算が発表されました。
- 増収
- 増益
期待された通期見通しの上方修正が無かったことで、明けた東京市場では一時最大-6.10%(終値-4.99%)と株価は下落しました。
上方修正が無かったことで株価が下落するところに、現在の資生堂(4911)の注目度がわかります。
資生堂(4911)を変えた経営者
資生堂(4911)は2014年に魚谷雅彦さんを社長兼CEOに指名しました。創業以来初の外部出身者の社長誕生でした。
日本コカコーラの社長をはじめ、米国系企業での数々の要職経歴を持つ同氏は資生堂の改革に取り組みます。
海外市場への積極的な投資を実行、M&Aも展開し、決算を迎えるたびにその成果は目標を上回るスピードでクリアしていきます。
国内での確固たるブランド力を持ちながらグローバル成長戦略では伸び悩んでいた資生堂(4911)をわずか3年で変貌させ、資生堂(4911)株価を4倍(高値¥9,250)に引き上げました。
この背景には前社長の前田新造さんの力も大きかったと思います。
魚谷さんのような攻撃的な経営はそれまでの資生堂が築いてきたブランドにプラスと出るかマイナスと出るかは大きな賭けだったと思います。
海外市場に一気に「人」「金」「物」を投入する魚谷戦略は、急激すぎないかと不安を感じました。
資生堂は名門らしく創業家の影響も大きい企業です。その創業家を説得し資生堂の将来を託す決断をした前田新造さんがいたからこそ、魚谷さんはグローバル戦略を強力に推し進めることが出来たのではないかと思います。
大きな成長力とはIT企業や新興企業にだけ期待されるものではなく、資生堂のような歴史ある生活必需系の企業にも期待できる、これを証明してくれたことは多くの投資家へのメッセージになったのではないでしょうか。
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資生堂株主総会の今昔
日経225採用銘柄中、東京に本社を置く企業は数多いですが、「東京発祥」となると意外なほど少なく、資生堂は数少ない東京発祥の企業で創業以来ずっと銀座に本社を持ちます。
現在は帝国ホテルの立派なホールで株主総会を開催していますが、かつては銀座にある資生堂旧本社ビルの会議室みたいなところで開催されていて、総会屋さんで荒れる雰囲気はなかったのですが、年配のご婦人たちのパワーが圧倒的多数を占める株主総会でした。
「なぜ花王(4452)の株価は上がっているのに、資生堂(4911)は上がらないのですか? あなたたちのやり方おかしゅうございませんか?」みたいな・・・
品の良さそうなご婦人から核心をつく質問があったり、微笑ましい雰囲気の中で「そうだ、お婆ちゃん頑張って!」と心の中で応援していました。
でも、株主総会が終わるとみなさん晴れ晴れと、お土産の入った Shiseido の紙袋をぶらさげ颯爽と銀座の街に繰り出して行きます。
その日の資生堂パーラーでは Shiseido の紙袋を持ったお客さんが増えたことでしょう。今はロオジェかな。
というわけで、資生堂(4911)のさらなる飛躍に期待しています。
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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you
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