2019-01-22

キヤノン(7751):抜きん出た先見性を持つ企業

Grüß Gott / Hello

今日はキヤノン(7751)に対するわたしの個人的な印象をお話します。

  抜きん出た先見性


「キヤノン(7751)という会社は先見性に優れた会社」という印象をわたしは持っています。

創業のカメラが現在も世界シェア第1位でありながら、ひとつの領域に依存することなく常に次のビジネスチャンスを求め開拓し続けている企業だと思います。

その着手するタイミングが他社に抜きん出て早いのが特徴的であり、そこには昭和の時代から企業文化として受け継がれている「優れた先見性」を感じます。

キヤノン(7751)の抜きん出た先見性を裏付ける出来事を振り返ってみたいと思います。

  カメラからコピー機へ


 Canon  のロゴが入ったカメラについてはもはや説明不要の創業事業です。

世界シェア1位を誇る製品を持つ会社なら、その核となる事業に集中しがちですが、キヤノン(7751)は1970年代にコピー機という領域に進出しました。

当時は「ゼロックスする」という言葉があったくらい、コピー機の分野ではゼロックス(XRX)が巨大な存在でしたが、ゼロックス(XRX)の独禁法問題と、破竹の勢いで日本企業が全米に進出する時代が重なり、キヤノン(7751)はコピー機のシェアをゼロックス(XRX)と分け合うまでになりました。

この技術が後の多様なPCプリンター時代にも繋がります。

「カメラからコピー機へ」この事業拡張に可能性を見抜いた先見性はやはり凄いと思います。

カメラのコダック(KDK)やポラロイド、印刷機のゼロックス(XRX)、現在の姿を比較すれば、その差は明らかではないでしょうか。


「カメラから…」と言いましたが、もちろんカメラでもキヤノン(7751)は今なお世界1です!

  バブル景気に一早く乗り、一早く逃げた


1980年代後半から起きた空前の日本のバブル景気に、一早く乗り、一早く逃げたのもキヤノン(7751)だと思います。

バブル景気を人々が感じ始めたのは1987年、終わりに気づいたのは1993年と言われています。

当時わたしが勤めていた会社でも1993年まで大量の新入社員を迎えていました。

この頃、鮮明に覚えているキヤノン(7751)に纏わる記憶があります。

キヤノン(7751)は1985年にF1チームのウィリアムズのメインスポンサーとなり、1993年まで9年間継続します。

バブル景気が始まる前にF1に参入し、バブル景気の終焉を感じとるやすぐさま撤退を決断したわけです。

キヤノン(7751)がメインスポンサーだったウィリアムズは9年間で4度の世界チャンピオンを獲得します。

1984年からホンダ(7267)エンジンを搭載したウィリアムズは1985年から勝利を重ね、1986年に世界チャンピオンにまで登り詰めました。

F1のホンダ(7267)時代の到来を誰よりも早く予測したのは、キヤノン(7751)だったと言っても良い結果です。


  脱中国依存へ


1990年代は中国の経済成長が注目されるようになり、多くの日本企業が中国へ進出しました。

キヤノン(7751)も中国進出に乗り出しますが、2000年代半ばから過度な中国依存からの脱却を計り、ベトナムなど東南アジアに生産拠点を分散します。

キヤノン(7751)製品の梱包に初めて見た"VIETNAM"の文字に斬新さを感じた記憶が残っています。

現在の米中関係まで読んでいたとは思いませんが、ひとつの対象に過度に依存しないキヤノン(7751)らしい先見性の現れと思います。

  今、医療分野へ


2016年、キヤノン(7751)は重度の経営危機に陥った東芝(6502)から東芝メディカルを買収します。

キヤノン(7751)は次の一手として医療分野に踏み出しました。

この買収手法に対しては、富士フィルム(4901)が後に物言いをするなどひと悶着がありましたが、この分野の将来性を見抜き、いち早く動いたのもキヤノン(7751)だったということになります。

別会社を買収していたため、東芝メディカルの買収合戦には参加できなかったパナソニック(6752)の知り合いは、「キヤノンはいい買い物をした」としみじみと語っていました。

余談になりますが、東芝(6502)の半導体部門もキヤノン(7751)が買収するのではという話が出ましたが、結局、半導体部門には手を伸ばしませんでした。

資金的な問題もあったでしょうけど、その後の半導体セクターのトレンドを見ると、もしあの時半導体部門に手を伸ばしていたら、とんでもない高い買い物になってしまったかもしれません。

この辺もキヤノン(7751)という企業が「何か持っている」と感じる点です。

  投資対象として


キヤノン(7751)は31年に渡り減配しておらず、現在の配当利回りは5%を超える日本企業を代表する高配当銘柄です。

EPSは伸びておらず、配当性向が100%に近くなっていますが、医療分野進出の結果が出るまでは株価的には低空飛行を続けるでしょうか。

医療分野の成長を期待するなら、今が仕込み時なのかもしれません。

もうひとつの注目は御手洗冨士夫・現CEOの後継者問題です。

強力なリーダーシップを発揮する現CEOの御手洗さんは一度CEOを退いていから復帰していますので、なおさら将来の後継者問題を注目されてしまいます。

しかしながら、先にお話した「カメラからコピー機へ」「バブル景気に一早く乗り、一早く逃げた」は現CEOの時代ではありません。

「優れた先見性」が企業文化として受け継がれているものであるならば、キヤノン(7751)はどんな状況でも荒波を乗り越えていくと期待したいです。



というわけで、キヤノン(7751)をここまで"よいしょ"するのは、わたしがキャノン(7751)ホルダーだからです。

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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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