2019-04-18

インテル(INTC)にフラれたアップル(AAPL)がクアルコム(QCOM)に白旗

Grüß Gott / Hello

4/16マーケット中、訴訟合戦を繰り広げていたアップル(AAPL)クアルコム(QCOM)が電撃的な和解ニュースを発表しました。

背景には5Gチップ調達でインテル(INTC)にフラれたアップル(AAPL)の苦しい事情があるようです。

一方のクアルコム(QCOM)は爆発的な株価急騰です。

  目 次



  アップル(AAPL)とクアルコム(QCOM)の訴訟


2017年1月に通信技術の特許使用料をめぐり、アップル(AAPL)がクアルコム(QCOM)を訴えました。

クアルコム(QCOM)は移動通信技術のCDMAに関わる特許を幅広く独占しており、同社の通信技術なしでは無線機能を備えられないほどの絶対的地位を築いていました。

「クアルコム(QCOM)は特許料を不当に吊り上げている」というのがアップル(AAPL)の言い分でした。

訴訟の煽りでクアルコム(QCOM)の株価は急落し、昨年のハイテクセクターが牽引した上昇トレンドでもS&P500のパフォーマンスを下回る置いてきぼりの寂しさでした。

この間、クアルコム(QCOM)はブロードコム(AVGO)から買収を仕掛けられるなど、経営陣は上場廃止を模索する状態にまで追い込まれていました。

泥沼化した訴訟は一進一退の状態が続いていましたが、4/16 14:30(ET)頃、電撃的なニュースが発表されました。

「アップル(AAPL)とクアルコム(QCOM)が和解、アップル(AAPL)がすべての訴訟を取り下げる」というものでした。


  和解に至った背景にインテル(INTC)の肘鉄


クアルコム(QCOM)の通信チップを使いたくない、使えないアップル(AAPL)は訴訟開始以降、インテル(INTC)の通信チップを頼ってきました。

来る5G規格でもインテル(INTC)に依存していたようですが、そのインテル(INTC)は5G規格の通信チップの製造には消極的な姿勢を表明します。

「クアルコム(QCOM)と喧嘩しているアップル(AAPL)のために儲からない事業はしない」というのがインテル(INTC)のクールな判断のように思います。

インテル(INTC)から肘鉄を喰らうようにフラれたアップル(AAPL)は不本意ながらクアルコム(QCOM)に白旗を出すしかなかったのでしょう。

具体的な和解条件は不詳ですが、クアルコム(QCOM)側はEPSにして$2の増益が見込まれるとコメントしています。

📰 関連ニュース:日本経済新聞 - ニュース
    - ➤アップル、クアルコムと苦渋の和解 (4/17)

  発表後のマーケットの反応



- QCOMは発表当日最大24.22%(終値+23.21%)の急騰
- 発表翌日も前々日比で最大+44.32%(終値+38.30%)と連日の急騰を記録

- AAPLは発表当日最大+1.07%(終値+0.18%)とほとんど変わらず
- INTCは発表当日最大+2.11%(終値+0.76%)の上昇


マーケットは総じてこの和解を好感したようです。

クアルコム(QCOM)は重しが取れたかのような猛烈な急騰を続けています。

  クアルコム(QCOM)の業績と配当


訴訟の影響は小さくないようです。
(グラフはクリックすると大きくなります)

📍 売上と営業利益

- 売上はアップル(AAPL)との訴訟前から下落傾向
- 営業利益は訴訟開始の2017から急落

📍 キャッシュフロー

- 訴訟開始の2017から減少

📍 ROAと配当性向

- 訴訟開始の2017からROAが悪化し、配当性向100%超へ

📍 配当と増配率

  • 配当利回り
    - 5年間平均:3.33%
    - 配当落日の最高:4.44%
    - 配当落日の最低:1.81%
  • 増配率
    - 2017-2018:8.48%
    - 5年間平均:13.47%
  • 連続増配
    - 16年連続増配中
  • 自社株買い
    - 2018:31.91%(敵対買収対策で上昇)
    - 5年間平均:10.54%

  わたしの投資計画


クアルコム(QCOM)の独占的ともいえる『通信技術』はハイテクセクターの中でもとりわけ魅力を感じます。

今回、アップル(AAPL)にはもはや選択の余地が無かったことから、未だクアルコム(QCOM)の『通信技術』が絶対的なものであることを証明してくれたように思います。

猛烈な急騰がもし落ち着くことがあり、なお魅力的な配当利回りの範囲ならぜひクアルコム(QCOM)への投資を考えてみたいです。

対して、アップル(APPL)の"自分から振り上げた拳を自分から下ろす"かのようなドタバタ顛末は経営的にはあまり感心しないですね。

「インテル(INTC)という後ろ盾がいなくなって・・・」という背景があるならなおさら情けないです。

そして、この件で大きな話題にはなっていませんが、インテル(INTC)がクールな判断を下した理由の方が実は重要なことかもしれないと考えます。

インテル(INTC)が違う道を歩み始めた時に何かが変わる、それはかつてもあったこと。。。なんて思ったりするのはわたしだけではないはずです。


というわけで、クアルコム(QCOM)を信じたホルダーの皆さま、おめでとうございます。

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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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