石油メジャーの一角、BP plcが2018.Q3で利益倍増の好決算を発表しました。
史上最悪と言われた「2010年メキシコ湾原油流出事故」から復活してきました。
BP plc 2018.Q3決算
大幅な増収増益は既に見込まれていたものの、EPSはアナリスト予測をさらに20%ほどBEATする好決算でした。
- 増収(+32.4%)
- 増益(+88.7%)
- 2012年以来の最高益を記録…安定化した生産体制と原油高が寄与
- 自社株買いを発表(増配は2018.Q2に2.5%実施済)
- 2018.Q4の見通しは強気…BHP Billiton(BBL)から購入したシェール資産が寄与
出典元(twitter):➤米国株 決算マン(@KessanMan)
— 米国株 決算マン (@KessanMan) 2018年10月30日
「事故は買い」を証明できるか?
BPは2010年4月に史上最悪と言われる「メキシコ湾原油流出事故」に見舞われました。
日(年)を追うごとに積みまされた賠償額は総額$600億を超え、その責任を巡り英米政府間の駆け引きにまで及びました。
リーマンショック前に$80に接近していたBPの株価は、リーマンショックの暴落相場とこの「原油事故」で$30を割り込むところまで暴落。
多額の賠償金によるキャッシュフローの悪化を招き、英国民の年金を背負うBPは無配に転落しました。
BPはキャッシュを捻出するために所有していた資産や権益を次々と売却、その引き換えに将来の競争能力を失う、と懸念されました。
「事故は買い」とは言え、ここまで追いつめられたBP株を購入するのは難しい状況です。
ところが、転機は意外にも2015年後半から始まった原油安だったと思います。
この原油安は中東諸国のシェール潰しを狙った意図的な生産増と言われており、アメリカの多くのシェールに関わるエネルギー会社が破産、操業停止に追い込まれます。
原油安はBPにとっても無傷ではありませんでしたが、シェールや未生産の資産、権益の売却でスリム化されていたことが幸いしたのか、他のエネルギー会社に比べて不良資産を抱える打撃は少なかったように思われます。
原油価格が底をつけ、採算分岐点といわれた$45~$50を抜けてきた頃からBPの業績も改善し窮地を脱出してきます。
今年夏には、BHP Billiton(BBL)からアメリカ国内のシェール資産を購入することを決定したように、BPにとって、原油事故と原油安の訪れたタイミングは「資産や権益を高く売り、安く買い戻す」結果をもたらしました。
BPの株価は2016年2月から上昇トレンドに入り、直近高値は$48近辺まで回復してきました。
史上最悪でも「事故は買い」を証明できるか? BPの今後に注目します。
(投資は事故責任で)
BPの目指す未来
BPは石油メジャーの中でもっとも再生可能エネルギーの取り組みに積極的と思います。
BP plcのYoutube公式ページで紹介されています。
Video
というわけで、BPのさらなる復活と未来に期待するチキンハート(CH)です。
Link
Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you
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