今日は世界で有名なブランドをいくつも持つ、ユニリーバ(UL/UN)のお話です。
クラフトハインツ(KHC)からのバイアウトの一件、ブレグジットを受けての本社統合問題など、いろいろとニュースに尽きません。
グローバル企業としてのユニリーバ(UL/UN)
Dove(ダヴ)、LUX(ラックス)、Mod'sHair(モッズヘア)は日本でもお馴染みのパーソナルケア製品で愛用する人も多いと思います。
紅茶のLipton(リプトン)、スープのKnorr(クノール…日本での生産は味の素(2802))も誰もが知る食製品です。
これらすべてユニリーバ(UL/UN)が持つブランドです。
最近、スーパーで見かけるようになったアイスクリームの BEN&JERRY'S(ベン&ジェリー) もユニリーバですね。
ユニリーバは複数国に現地法人を持ち、新興国への進出にも積極的な真のグローバル企業と言って良いと思います。
日本にはユニリーバ・ジャパンが存在します。
インドのヒンドゥスタン・ユニリーバは、アマゾン(AMZN)、フェイスブック(FB)、テスラ(TSLA)などと並び、Forbes USが選ぶ『世界で最も革新的な企業ランキング』のベスト10に選ばれました。
Forbes JP (forbesjapan.com)
➤世界で最も革新的な企業ランキング上位10社
➤世界で最も革新的な企業ランキング上位10社
この会社、面白いのは本籍が英国とオランダの二国にあり、NYSEのADRには二銘柄(ULとUN)でそれぞれ上場しています。ちなみに英国市場でのTickerは"ULVR"です。
わたしのユニリーバ取引歴は結構長いのですが、利用する証券会社では当初オランダの"UN"しか取扱銘柄になってなくて(単純に"UL"を見逃していたのかもしれませんが)、その内、英国の"UL"も取引銘柄となり「どうして2つもあるの?」と混乱しました。
英国が配当非課税であることを知ってからはすべて"UL"で取引しています。
ブレグジットの英国国民投票後は「買い増し」を見送ってますが、大きな影響が無ければ買い増しを再開したい銘柄です。
今週はユニリーバの2018.Q3決算発表がありました。
出典元:➤米国株 決算マン(@KessanMan)さん
ユニリーバ決算— 米国株 決算マン (@KessanMan) 2018年10月18日
Unilever (NYSE:UL) Q3
売上 €12.53B (-4.9% Y/Y)
株価は時間外で-1%
USG(Underlying sales growth: ユニリーバは新興国に強いわけだが問題のベネズエラおよびアルゼンチンのやばいインフレを除くと)は+3.8%(Y/Y 内訳はボリューム2.4%とプライス1.4%)
PDF: https://t.co/rjpgpBHqS8 pic.twitter.com/cHkq5vboJB
今回の四半期決算はあまり好くないように見えますが、ユニリーバは各国の為替事情が複雑に影響するので売上ボリュームの方に注目が集まるようです。
驚くべき英国株主のパワー
英国の株主の影響力はアメリカ以上に凄まじいと感じています。
アメリカの場合も「配当を維持し健全に増配を継続すること」を求められる様相はあります。
しかし、英国の場合は「儲けた分は株主のもの」という様相があるようで、その上で「増配継続」も求められるという、企業の立場からは極めてハードルが高いです。
それだけ英国では株主の地位が高く、英国系の国々が配当非課税ということも無関係ではないのでしょう。
■KHCからのバイアウト(買収)打診後のこと
2017年1月にクラフトハインツ(KHC)がユニリーバにバイアウト(買収)を打診したことが話題になりましたが、買収を拒否したユニリーバの株主還元が一段階上がったように思います。
「バイアウト(買収)された方が良かったのに」と株主に思われないようにする対策も大変です。
■ブレグジットで本社機能のオランダ統合計画のこと
ブレグジットでユニリーバは本社をオランダに統合する決定をしましたが、これも英国株主の猛烈な反対を受け、ついに「撤回」する事態となりました。
株主を軽視しがちな日本では考えられないことです。アメリカでもここまでの株主の影響は考えにくいのではないでしょうか。
■BP窮地の時のこと
株主サイドも英国企業が窮地に陥ると国を動かしてその企業を守ろうとする気鋭が感じられます。
2010年にオイルメジャーのBPがメキシコ湾原油流出事故を起こしてしまった時、全面的にBPの責任にしたいオバマ大統領( "British Petroleum" と表現)に対し、英国側が干渉してきました。
その心はアメリカに対し、「我らのBPだけに責任を押しつけ、己の責任逃避をするとは何事か!」といったところでしょうか。
BPには英国民の年金が掛かってますから、国をあげて干渉してくるのもわからなくは無いです。
■ブレグジットの行方
わたしには「イギリス人は歴史的にも交渉事に長けている」という印象があり、例のブレグジットもEU側の痛いところと刺し違えながら、のらりくらりと上手に乗り切るのではないかなと思っています。
アメリカファーストのトランプ大統領が誕生したタイミングもブレグジットには好都合だったように思われます。
おまけ:ちょっと気になるユニリーバの製品
- Baby Dove(ベビー・ダヴ)
日本では発売されていないのですが、"Baby Dove"という赤ちゃん用のスキンクリームがあるようです。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のベビーローションのような優しいスキンクリームだと思うのですが、ボトルもキュートで日本で発売されたら買ってみたいなと思います。
www.dove.com - ➤Baby Dove
- MARMITE(マーマイト)
こちらはイギリスでは有名なパンにぬるバターみたいなものらしいですが、口にした人の話では「イギリス人にしか理解できない味。かなりマズい。」らしいです。
恐いもの見たさで一度味わってみたいのですが、お口にされた方、そのお味はどうでしたか?
というわけで、日本でも株主の地位向上を望むチキンハート(CH)です。
LINK
➤Unilever PLC - Investor Relations
➤Morningstar - Stock - Unilever PLC ADR (UL)
米国決算情報
➤twitter.com 米国株 決算マン(@KessanMan)
Forbes JP (forbesjapan.com)
➤世界で最も革新的な企業ランキング上位10社
➤Morningstar - Stock - Unilever PLC ADR (UL)
米国決算情報
➤twitter.com 米国株 決算マン(@KessanMan)
Forbes JP (forbesjapan.com)
➤世界で最も革新的な企業ランキング上位10社
Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you
0 件のコメント:
コメントを投稿