2019-02-22

クラフト・ハインツ(KHC):減配発表で時間外株価は炎上

Grüß Gott / Hello

2/21(AMC)にQ4.2018決算を発表したクラフト・ハインツ(KHC)は市場予測を裏切る内容と減配を発表。

時間外取引で-20%の暴落となっています。

  目 次



  クラフト・ハインツ(KHC) Q4.2018決算


Q4.2018実績前年同期比対市場予測
売上$6.89B+0.1%MIss$7.03B
EPS$0.84-0.67%MIss$0.94

Full.2018実績前年比
売上$26.25B-0.08%
EPS$3.53-0.56%

- 為替影響 2.2%
- -36%の減配を発表

Full.2019
- ~$0.25の営業外損出を予測
- 売上とEPSの具体的な提示は無い…いずれにしても増収増益の市場予測をMiss

- 時間外取引の株価は-20%の下落

  📌 情報元:The Kraft Heinz Co. - Investors
    ➤Kraft Heinz Company Fourth Quarter Results
  📰 関連ニュース:CNBC - BUSINESS NEWS
    ➤Kraft Heinz slashes dividend, discloses SEC subpoena — stock tanks

  "のれん代"償却で減配


クラフト・ハインツ(KHC)は1株あたりの配当を前$0.625から-36%減の$0.4に減配することを発表しました。

原因は肥大化した"のれん代(Goodwill)"の償却でバランスシートの改善化を実施するためです。

今回償却される"のれん代"は前年額の≒20%にあたる$8.58B、今期売上の33%に相当します。

"のれん代"の残額は$36.24Bと縮小しますが、依然として年間売上を超える"のれん代"の状況は続きます。


📍 食料品セクターの"のれん代"比較(売上比率順)
Ticker$BRevenueGoodwillG/R(%)Div.
BUDAnheuser-Busch56.44140.94249.72%4.26%
KHCKraft Heinz26.2536.24138.06%5.19%
GISGeneral Mills15.7414.0689.33%4.17%
MKCMcCormick5.404.5283.70%1.70%
SJMJ.M. Smucker7.355.9480.82%3.18%
MDLZMondelez25.9320.7279.91%2.15%
CAGConagra7.934.5056.75%3.53%
CPBCampbell Soup8.684.5852.76%3.95%
KKellogg12.925.542.57%3.84%
ULUnilever53.7116.8831.43%3.19%
HRLHormel Foods9.542.7128.41%2.00%
KOCoca-Cola35.419.4026.55%3.40%
TSNTyson Foods40.059.7324.29%2.38%
PMPhilip Morris29.627.1824.24%5.33%
PEPPepsiCo64.6614.8022.89%3.20%
MOAltria25.575.3020.73%6.35%
HSYHershey7.510.8210.92%2.60%
Ticker¥億RevenueGoodwillG/R(%)Div.
2914.TJT22,15918,91285.35%5.33%
2502.TアサヒG21,20215,38672.57%2.20%

  クラフト・ハインツ(KHC)の業績推移


📍 売上と利益率の推移

📍 キャッシュフローとのれん代推移


(グラフをクリックすると大きくなります)
データ元:Morningstar (www.morningstar.com)

  問われる3G Capital主導の買収戦略


クラフト・ハインツ(KHC)3G Capitalという投資会社が経営権を握っており、毎年のように大型M&Aを仕掛けています。

バドワイザーで有名なアンハイザー・ブッシュ・インベブ(BUD:ベルギー)も3G Capitalの配下で、こちらの"のれん代"はクラフト・ハインツ(KHC)の前年値よりも大きいです。(BUDも危ないと思う。。。)

買収資金はあのウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK)から大量の出資を受けており、バークシャー(BRK)のクラフト・ハインツ(KHC)株の大量保有は市場で購入したものではなくこの出資により得た優先株が元です。

3G Capitalは買収後に強烈なリストラを敢行するなど徹底した利益追求が話題を呼び、この手法には賛否両論が飛び交っています。

2017年にはクラフト・ハインツ(KHC)自身の売上のおよそ倍を誇るユニリーバ(UL)の買収を試みましたが、ユニリーバ(UL)側から「敵対買収」と判断され拒絶されました。

これには、クリーンなM&Aをモットーとするウォーレン・バフェット氏もかなり動揺した様子で、ユニリーバ(UL)買収からは手を引くよう3G Capitalに進言したものと思われます。

大型M&Aを続ければ、"のれん代"が肥大化し、いずれバランスシート上の問題が起きることは当然です。

リストラなどで利益を追求することも結構ですが、食料品メーカーとして本業のマーケティング能力で買収後の利益を拡大できるかが、今後のクラフト・ハインツ(KHC)の課題と思います。

クラフト・ハインツ(KHC)の幹部には会計のプロばかりで、食料品メーカーの経営プロがいないのではないかとも揶揄されています。

  わたしの投資計画


売上の170%に達していた"のれん代"が償却されバランスシートが軽くなったことと、仮に今夜のマーケットで20%下落すれば減配後の配当利回りでも4%近辺を得られますから、これからクラフト・ハインツ(KHC)に投資を検討するなら一見好材料だとは思います。

何より、バークシャー・ハサウェイ(BRK)のコア銘柄のひとつというのは魅力ではあります。

しかしながら、まだ売上の140%の"のれん代"が残っていること、3G Capitalは今後も懲りずに買収を続けるのではないかと思うと、将来的にまた同じことを繰り返すリスクを感じてなりません。

わたしは、クラフト・ハインツ(KHC)に投資するよりも、クラフト・ハインツ(KHC)=3G Capitalが買収したくなる企業の方を探したいです。

(投資は自己責任で)


というわけで、今夜、食料品セクター全体に馬鹿みたいなKHCショックが波及しなければ良いのですが・・・

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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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