2019-03-06

アメリカ企業の配当増配率が鈍化傾向:好増配では日本企業の方が優勢

Grüß Gott / Hello

今決算期で次期配当を発表した日米企業の増配状況を調査してみました。

アメリカ企業の配当増配率が鈍化傾向にあり、10%超の好増配は日本企業の方が優勢のようです。

  目 次



  日米企業の増配状況


調査対象:今決算期で次期配当(予定含)を発表した企業

  • 米国株:NYダウ30or連続増配20年以上の配当銘柄
    22銘柄 : ADM,AFL,BA,BMY,CHD,CSCO,CVX,ED,ES,GILD,HD,HRL,INTC,KMB,KO,MKC,MMM,PEP,PFE,T,TROW,WMT

  • 日本株:日経225採用の12月決算期銘柄
    22銘柄 : 2501,2502,2503,2914,3405,4004,4151,4324,4452,4519,4578,4911,4967,5101,5108,5201,5214,5301,6361,7272,8113,8804

※昨期の増配率・額との比較です。

(グラフはクリックすると大きくなります)

わたしが抜粋した銘柄のみの調査なのでマーケット全体に当てはまるかはわかりませんが、一定の時価総額、売買量があり、配当重視では注目される企業なので参考にはなると思います。

※マーケット全体の増配状況はいずれ証券取引所、各投資機関から発表されると思います。

  米国株:配当増配率が鈍化傾向


調査対象の米国企業の内、45%が増配率・額ともに昨期から減少しています。

10%以上の増配を実施した企業が昨期は50%だったのに対し、今期は18%に減少してしまいました。

据え置きが無いのはさすが米国企業ですが、増配率という点では残念ながら鈍化傾向になります。

昨年末のクリスマスクラッシュで見通し弱気の影響もあると思いますが、単純にその影響だけなのかが気になるところです。

象徴的なのはコカコーラ(KO)で、リーマンショック時もどこ吹く風かのように毎年5~10%の増配を実施してきた配当王が今決算期では増配+$0.01という実質最低幅、増配率+2.56%に落ち込みました。

過去に記憶の無いコカコーラ(KO)の増配率の下落には正直ちょっとショックでした。

決算が悪かったコカコーラ(KO)だけではなく、決算が好感されたライバルのペプシコ(PEP)予定増配+2.96%に落ちこんでいます。


一方で、お堅い電力会社のコンソリデーテッド・エジソン(ED)の増配率は+3.50%、成長余地が無いと卑下され配当利回り6%を超えるAT&T(T)の増配率でさえ+2.00%ですから、これは"異変"と呼んでもよい現象かと思います。

KOやPEPの低い増配率の傾向がしばらく続くようなら、増配期待でも公益株や通信株などに資金を回した方が良いということになってしまいます。



石油メジャーのシェブロン(CVX)が復活の増配率+6.25%で上位に来ていることも、どこか近年の景色と違う気がします。

逆にこのような弱い増配率を受け株価が下落する配当王企業は、絶好の買い場が近いと解釈することもできるかもしれません。

配当王たちがこのまま沈んでいくとは思えないからです。

  このブログの 📄 [米国株配当データ] ページ
    ➤S&P500採用銘柄の配当データ
    (US S&P500 Dividend Data - vers.2018)
    (Last Updated 28.Jan.2019)

  日本株:株主還元に目覚めた日本企業は面白い


米国企業と比較して据え置きが32%という点は、日本企業にもう少し株主の方を向いてもらいたいところですが、昨期も27%が据え置きですからこの点は驚くほどのことではありません。

一方で10%以上の好増配率企業に着目すると、昨期米国企業の方が多かったの対し、今期は日本企業の方が圧倒的に多く日米逆転している点は注目すべきことかと思います。

また、増配率5%以上では昨期、今期とも日米に差がありません。

ということは、株主還元に目覚めた日本企業なら、今後も米国企業を凌ぐ配当実績を続けていくかもしれない、ということです。

さらに、33%の配当据え置き組が触発されて徐々に株主還元に目覚めてくれたら、今後の日本企業には期待したくなります。


※東海カーボン(5301)は二期連続100%増配

日本企業はこれまで株主還元を軽視してきたことで内部留保金がたくさんあるから今の増配率が良いだけ、という声もあるでしょう。

今期だけの傾向で日本企業が米国企業に並ぶ配当実績を継続すると判断するのは早計です。

しかし、バブル崩壊から30年近くを経過し、長期的なレンジで傾向が変わる転換点を迎えている可能性もゼロではありません。

これを機にバブル崩壊からの日本のマーケットの流れもすこし調べてみたいと思いました。

  このブログの 📄 [日本株配当データ] ページ
   ➤日経225採用銘柄の配当データ
    (Japan NIKKEI225 Dividend Data)
    (Last Updated 31.Dec.2018)



というわけで、わたしは株主の方を向いてくれる企業ならアメリカでも日本でもそれ以外の国でも投資対象です。

LINK
アメリカ株の長期配当データがわかるサイト
  ➤Yahoo! Finance
  ➤Macrotrends (www.macrotrends.net)
  ➤The DRiP Investing Resource Center (www.dripinvesting.org)

日本株の配当データがわかるサイト
  ➤日本経済新聞
  ➤IR BANK (irbank.net)

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