2019-04-02

ブレグジットが混乱する原因は残留派にある

Grüß Gott / Hello

昨日4/1の英国議会、またしてもブレグジットの代替案示唆の採決がすべて否決されました。

どこの国でもそうですが、反対するだけの勢力というのがいるものです。

  目 次



  今井佐緒里さんの記事


ブレグジットに関する報道記者の主義思想が先行した記事が多い中で、一連の採決結果を客観的に分析されていた記事を見つけたので紹介します。

  📌 情報元:激動の欧州を語る ~EUの挑戦~ 今井佐緒里
    - ➤EUに残りたい地域政党と労働党が合意案を葬った。英国解体の覚悟は? (news.yahoo.co.jp)

EUと英国政府の合意案、修正案は1月(1回)、3月(2回)といずれも否決されています。

かといって、「合意なき離脱(期限有)」も否決され、3/29と昨日4/1の代替案示唆の採決もすべて否決です。

わたし自身は英国らしい時間稼ぎと見ているのですが、今井佐緒里さんの分析どおり、投票結果を改めて見ると、なるほど、残留派の票がすべての採決を否決に向かわせていると言っても良いと思います。

  国民投票の重み


「国民投票をもう一度やり直す」という選択に執拗に拘る人たちがいます。

しかし、国民投票をやり直したら、それ自体が軽いものになってしまい、国民としての義務も責任もそこには存在しえなくなります。

「こんなことは知らなかった」
「こんなことなら離脱に投票しなかった」
もっとひどいのは
「こんなことなら投票所に行った」

このような考え方をする人はもちろん、このような考え方を容認する人も基本的に自己責任の意識に欠けた甘えた人たちではないかなと思います。

いろんな意味で、たぶん投資にも向いてない人たちだと思います。(それ以上の表現は控えますけど。。。)

少なくとも英国議員の過半数はメイ首相も含めて残留派だったわけで、にも関わらず「離脱」が決まってしまったのです。

それが国民投票の結果なのです。

一度決まったことに対しては、その決定を尊重した上で次の最善を考えるのが民主主義のルールのはずです。

  残留派が招いた混乱


国民投票で離脱が決定し、本来、残留派のメイ首相はじめ英国政府は離脱の中でも影響の少ないEUとの関係を配慮した合意案で決着を目指しました。

当然、ハードブレグジット派は反対に回ります。

ところが、残留派が一緒になって反対に回ったことで合意案は否決されてしまったわけです。

一方で「合意なき離脱」を採決すればソフトブレグジット派は否決に回りますが、残留派も加わって否決するからこれも決まらない。

そして、残留派に対案はありません。何でも反対です。

残留派にはそもそも国民投票の「離脱」という結果を批准して物事を考える意識がないわけで、ある意味、国民投票を軽視した行為だと思います。

身の回りでも、一度みんなで決めたことをいつまでも蒸し返し、事ある毎にちゃぶ台をひっくり返そうとする人っていますよね。

もし、そういう人がものすごい権力を持ったりすると、もはや民主主義など成立しない独裁、恐怖政治になってしまいます。

「国民投票をもう一度やり直す」のが良いと本気で考えている人には、多分にその危うさを感じます。

暗に国民投票のやり直しに導きたい主義思想が先行したジャーナリストも同類です。

もし、残留派が「離脱」という決定を尊重した上で次の最善を考えていれば、おそらくソフトブレグジットの合意案、あるいは代替案のいずれかは可決していたでしょう。



  日本で国民投票を実施する場合の教訓に


英国の国民投票に、もし不備があったとするたら、"獲得票率が55%以上"とか文句のない一定の条件をつけるべきだったのかなと思われます。

  • 離脱:52% vs 48%:残留

この僅差の結果だったから問題になるのでしょう。

日本では近い将来、憲法改正の国民投票が実施される可能性があります。

僅差の結果だったら同様に揉めることでしょう。

極めて重大でナーバスなことだから国民投票になるのでしょうけど、決着の条件もきちんと決めておいた方が良いという教訓をもらえたと思います。

もっとも、決めたところで「何でも反対」の人たちには効力ないかもしれません。


というわけで、わたしは「英国らしい時間稼ぎ」、もしかしたら「茶番」、と今も思ってますけど・・・

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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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