2020-03-24

100年前のスペイン風邪とNYダウの動き

Grüß Gott / Hello

およそ100年前に起きたパンデミック=スペイン風邪と当時のNYダウの動きを調べてみました。

今のマーケットに当てはめると、すこし希望的観測を持ちたくなります。


  目 次



  スペイン風邪


Wikipediaさんで調べた内容ですけど・・・

スペイン風邪は今で言うインフルエンザのこと。

人類史上最悪のパンデミックのひとつとされており、1918年1月-1920年12月にかけて猛威をふるい当時の世界人口の約27%=5億人に感染、死者数は数千万に及びました。

第一世界大戦(1914年7月-1918年11月)の終期と時期が重なっていたことも不幸でした。

📍 スペイン風邪の死亡者数推移

(出典:Wikipedia)

📍 スペイン風邪の死亡者年齢分布

(出典:Wikipedia)

感染は以下の三波の感染拡大期がみられます。
  • ①波:1918年06-07月
  • ②波:1918年10-11月
  • ③波:1919年02-03月

②波がピークで、死亡者は①波のおよそ5倍に達しています。

死亡者の年齢分布は高齢者に限らず乳幼児や20-30代の青年層でも高かったようです。

日本でも人口5,500万人に対し39万人が亡くなっています。

  NYダウの動き


📉 NYダウ:長期チャート(Log.)

(🔎 グラフはクリックすると大きくなります)
(出典:Wikipedia)

スペイン風邪当時のNYダウの動きを見ると、1910年代後半に40%前後のリセションが確認できます。

ただし、NYダウが底値圏に下落したのは1917年下期でスペイン風邪の感染拡大以前のことになります。

つまり、リセションの要因は"第一次世界大戦"の方にあると判断できます。

注目したいのは、開戦直後のアメリカは中立の立場で戦争特需による好景気をもたらしており、NYダウは開戦から1年あまりで80%急騰を記録していました。

いわゆる戦争特需バブルです。


ところが、1917年アメリカが参戦を表明し派兵が決定すると、NYダウが40%下落しました。

戦争特需バブルの崩壊です。


この40%下落後にスペイン風邪の悪材料が加わったわけですが、そこからの下落は10%未満に過ぎません。

移動抑制による経済影響は戦争により折り込まれていたと思われ、スペイン風邪は新たな暴落要因とはならかったようです。

世界大戦とスペイン風邪という二つの人類史上最悪の出来事に見舞われてもNYダウの下落率は40-50%で止まったということになります。

その後の未来で発生する世界恐慌日本の不動産バブル崩壊NasdaqのITバブル崩壊の80%暴落には遠く及ばないということです。


それでは、NYダウが切り返したタイミングを見てみます。

底値から切り返したのは1918年の後半からでスペイン風邪の感染拡大が最大となった②波の1918年10-11月とほぼ一致、見ようによっては②波ピーク前かもしれません。

さらに、最終的にスペイン風邪の"終息"は1920年12月まで延びますが、その終息に至る前にNYダウは戦争特需バブルの高値を取り返しています。

どうやら、スペイン風邪では感染ピークより前に株価は折り返してしまい、"収束"を待っていては出遅れ、"終息"なんか待っていた日にはもう高値をつけていたということになります。


スペイン風邪終息(1920年12月)後はNYダウは再び調整に入りWボトムをつけに行きます。

そのWボトムをつけた後に史上空前の500%暴騰相場が始まり、そしてそれからおよそ10年後、この暴騰相場は1929年の世界恐慌で終焉を迎えます。

  現在のCOVID-19と比較すると


📈 NYダウ:10年チャート

スペイン風邪と今回のCOVID-19を比較すると、悲観相場が始まる前にバブルっていたという点は似ているかと思います。(トランプ相場の上昇率は65%ほど)

また、戦争が絡んだか絡まなかったかの違いはありますが、緊急事態の移動抑制による経済不安からNYダウが40%まで下落してきた点も似ています。

100年前と今ではあらゆる面でスピードが違うので、COVID-19の感染拡大の方がスペイン風邪の時より早くピークが訪れ、マーケットの動きもそれに同期するのかなと想像します。

中国の日別感染者数ピーク(2/14頃)に対し現時点(3/23)の世界の日別感染者数がおよそ5倍で、スペイン風邪の①波→②波のピーク倍率とほぼ一致します。


希望的観測になりますけど、COVID-19の感染ピークがこの3月、遅くても4月であってほしいです。

そうなればNYダウは切り返し、スペイン風邪当時のような大戦による物理的な破壊も無いので、短期に高値を取り返す展開も期待できるのではないでしょうか。

スペイン風邪とNYダウの関係になぞれば、今回も中長期的にWボトムをつける展開があるかもしれませんが、その後は暴騰相場さえありえるというわけです。


ただ、「歴史は繰り返す」という点では、"世界恐慌"という記憶も頭に入れておかないといけませんよね。

もし、今回のが"世界恐慌"だとするなら、その原因はCOVID-19ではなく、"原油"とかコモディティの方だと思ったりします。

中東から大発生したバッタのこともあって、ここにきての穀物被害の追い打ちはちょっと。。。

(投資は自己責任で)



というわけで、とにかく一回落ち着いてほしいですね。今日も頑張っている日本のマーケットが引っ張ってくれると一番嬉しいのだけど。

LINK
スペイン風邪 - Wikipedia (en)
  ➤Spanish flu

コロナウイルスの感染状況 (gisanddata.maps.arcgis.com)
  ➤Coronavirus COVID-19 Global Cases

Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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