2018-11-13

ロッキード・マーチン(LMT)への投資について

Grüß Gott / Hello

今日はアメリカの国策、国防と直結するロッキード・マーチン(LMT)についてのお話です。


  軍需企業への投資


軍需企業は時に「死の商人」と忌み嫌われ、投資対象としては敬遠されがちです。

どう見るかはそれぞれの判断かと思います。

アメリカの国家予算の10%近くを占めるのが『国防』であり、その高度な技術を守る上で軍需企業は国策企業ととらえても良いと思います。

特にロッキード・マーチン(LMT)レイセオン(RTN)のような売上の90%以上が軍需である企業については、よほどの地政学的変動が起きない限り、業績が極端に悪化したり、ましてや「破産」に至るような事態はほぼ無いと考えられます。

後項のリスト上位に位置する軍需企業は増配率が10年間平均で10%を超えており、配当継続性にも優れています。増配は切れても減配をしていません。

対日、対独で後退し続けるアメリカの製造業セクターの中ではもっとも安定した投資先なのかもしれません。

  宇宙事業のこと


「死の商人」と呼ばれる一方で、宇宙事業のような「未来の夢」を担っているのも軍需企業です。

今からおよそ50年前の1969.7に人類は「アポロ11号」で月に辿り着きました。

ライト兄弟の「ライトフライヤー号」が初めて空を飛んだ日(1903.12)からわずか65年です。

二度の世界大戦、その後の米ソ冷戦が航空技術の急速な進歩をもたらしたことは疑いようがありません。

わたしたちが普段利用している旅客機はもちろんですが、他にも電子レンジ、スマホにいたるまで、科学技術の進歩は軍需からもたらされた結果であることが多いのは皮肉なことです。

今、軍需企業への投資が「未来の夢」に投資した、という結果になることを信じたいですね。

  軍需企業のランキング


2017年の世界の軍需関連の売上ランキングです。
出典元:➤Wikipedia (en) - List of defense contractors
RankTickerCountryDF.Rev.R.RevDiv.YYrs.eYrs.DGR10Y-DGR
1LMTUS43.5B92%2.81%161710.2%17.6%
2BAUS29.5B31%1.85%7>1830.3%15.0%
3BAE.LUK23.6B91%4.14%?
4RTNUS22.4B93%1.85%14>189.0%12.0%
5NOCUS20.2B82%1.68%15>1811.4%11.3%
6GDUS19.7B63%2.02%27>2710.4%11.5%
7AIR.PAFR12.3B17%1.57%?
8LLLUS8.9B84%1.64%15137.1%12.1%
9LDO.MIIT8.5B64%1.45%?
10HO.PAFR8.4B50%1.57%?
217011.TJP4.0B12%2.99%080.0%9.7%
DF.Rev.は軍需関連売上($bin), R.Revはその企業の売上における軍需が占める比率, Yrs.は連続増配, eYrs.は減配をしていない年数, DGRは増配率

  • ロッキード・マーチン(LMT)が他を引き離しての第1位です。
    主力製品は「戦闘機」で、日本をはじめ同盟国にも納品しています。

  • 2位のボーイング(BA)は民間旅客機が主力なので軍需の比率は30%とロッキードマーチン(LMT)と比較すると小さいです。

  • 4位のレイセオン(RTN)はミサイルを作っている会社です。
     レイセオン(RTN)は電子レンジを作った会社としても有名です。

  • 日本企業では21位に三菱重工(7011)がランクインしています。
    ロッキード・マーチン(LMT)の1/10に満たない規模です。

表向きには出てこないですが
  • グッドイヤー(GT):飛行機のタイヤ
  • ハーレーダビッドソン(HOG):オートバイ
  • ダウデュポン(DWDP):「サランラップ」を作った化学メーカー
  • モンサント(旧MON):農薬・化学メーカー
なども広義には軍需企業に含まれるのかもしれません。

モンサント(旧MON)は今年ドイツのバイエル(BAYN.DE)に買収されましたが、あのウォーレン・バフェットさんがたびたび保有していた銘柄です。

  ロッキード・マーチン(LMT)


ロッキード・マーチン(LMT)のCEOは女性のマリリン・ヒューソンさんです。

つい先日、ハーバード・ビジネス・レビュー(hbr.org)が発表した「➤The Best-Performing CEOs in the World(世界のCEOベスト100)」で、29位(女性では1位)に選ばれました。

女性のCEOとして他に著名な方では、IBMのジニ・ロメティーさん、ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・T・バッラさん、既に退任された方では、ペプシコ(PEP)のインドラ・ヌーイさん、デュポン(現在のダウデュポン(DWDP))のエレン・J・クルマンさん(現ゴールドマンサックス(GS)取締役)などがいらっしゃいます。

なぜか「武骨」なイメージのある会社に女性CEOが多いような気がします。

チキンハート(CH)はもともとボーイング(BA)を保有していたのですが、保有中にダウングレードを打ち続けるアナリストとの心理戦に敗れ売却、その資金はレイセオン(RTN)を経由して、現在はロッキード・マーチン(LMT)を保有しています。



というわけで、投資においては私情をはさまずドライになることも必要だと思います。



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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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