3/13 英国議会はとりあえず「合意なきブレグジットの回避」を可決しました。
「今は何も決めないことが一番」という英国らしい答と思います。
目 次
英国議会「合意なきブレグジットの回避」採決までの流れ
3/13 英国議会は「合意なきブレグジット(no-deal Brexit)の回避」を可決しました、
ここにいたるまでの過程を整理してみると、
- 1/15 EUと英国政府の合意案:賛成202-432反対→否決
- 3/12 EUと英国政府の修正案:賛成242-391反対→否決
- 3/13 合意なきブレグジットの回避案
①英労働党から急遽提出された「いかなる場合でも合意なき離脱を回避する」議案
賛成312-308反対→可決(4票差)
この①の結果を受けて、以下②議案に対し、反対票を投じるよう与党指示が出る
(日本ではちょっと考えられないような朝令暮改)
ところが・・・
②英国政府から提出された「期限の3/29の合意なき離脱を回避する(以降の合意なき離脱オプションは持つ)」議案
賛成321-278反対→可決
③英国政府から提出された「5/22に離脱を延期する」議案
賛成164-374反対→否決
📰 BBC - NEWS
➤ Brexit: MPs vote to reject no-deal Brexit
➤ Brexit: MPs vote to reject no-deal Brexit
何だかよくわかりませんね。。。
EU側は譲ったけど、英国議会は譲らなかった
前日3/12の合意修正案採決=否決でわかることは、EU側は譲ったけど、英国議会は譲らなかったということ。
EU側は当初、「合意案の修正はしない」「地獄の特等席を用意する」などと頑なに突っ撥ねていましたが、結局、折れてしまいました。
一方、英国議会は何ひとつ譲っておらず、3/13の一連の議案採決でも決まったのは「3/29に離脱はしない」という、ここまで来てしまったら当然なことだけ。
英労働党案の投票結果(312-308)からは、依然としてわずか数名の判断でどちらにも動く情勢であることがわかり、それでいて、「3/29の合意なき離脱はしたくない」、「5月までの期限は設けたくない」の「ないない」だけは議会の結論が出るということです。
要するに「今は何も決めないことが一番」が確認されたというかんじです。
これから、英国はEU側に離脱延期を申し込むことになると思いますが、EU側はどうするでしょうか?
EU側は「合意案の修正の修正はしない」と、ついこの間聞いたようなことをまた言っていますが、はてさて・・・
ブレグジットのメリットは英国にだけあり、EUにはない
合意の有無に関わらず、ブレグジットのデメリットは英国、EU双方にあるでしょう。
では、ブレグジットのメリットは?
そのメリットは英国にだけあるもので、EUにはまったくないものです。
「合意なき離脱」ならなおさらです。
英国はそれを知っているから、このような駆け引きを続けるのだと思います。
傍目で見ていて「あなたたち一体どうしたいの? 早く決めなさい」と問い詰めたくもなりますが、まさにこれが英国流だと思います。
どうとでも取れる答をちらつかせ、自分たちの選択肢だけは多く確保しながら、相手が焦れて折れるのを待つ。
「しない」と拒んでいた修正案にEU側が応じてしまったことで、英国はEUの引き出しからまだまだ取れると確信したと思います。
裏ではアメリカ、中国、インド、日本などとこれから結ぶべき貿易協定への準備をする時間も稼ぎたいでしょう。
特にアメリカとの関係はブレグジットの行方に大きな陰を落としているように思います。
そう考えれば、今回の「合意なきブレグジットの回避」の一連の議案採決とその「ないない」結果も辻褄が合うのではないでしょうか。
マーケットの動き
英国議会に振り回されるEUに対して、今のところマーケットの方は賢いようです。
わたしも来るべき瞬間を逃さずに待ちたいと思います。
というわけで、日本の政府もこれくらいしたたかに外交をしてくれたら、と思います。
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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you
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