2019-02-08

ブレグジット:『地獄の特等席』に座るのは誰なのか?

Grüß Gott / Hello

EU理事会議長のドナルド・トゥスク氏が『地獄の特等席』という表現を用いて英国議会の離脱派を批判しました。

  目 次


■ 目 次


  EU理事会議長(ドナルド・トゥスク)の発言


EU理事会議長(ドナルド・トゥスク)の2/6記者会見での発言が物議を醸し出しています。

問題の発言の和訳は以下の内容です。

「ブレグジットをどのように安全に進めるか、実施方法を何も計画をせずに推進した人たちには『地獄に特等席』が用意されている」

この発言をめぐり、英国側、EU側を問わず賛否両論が飛び交っているようです。

💣 出典元:Donald Tusk @eucopresident (twitter.com)


  📰 情報元:Frankfurter Allgemeine (faz.net) (ドイツ紙)
    ➤Wie um Himmels Willen soll das gehen?

  この発言の裏に思うこと:本当に困るのは誰なのか?


最初にこのニュースを聞いた時は、主旨とは外れた言葉の端々をつままれて報道されたのかなと思ったのですが、トゥスク氏ご本人がツイートでバシッと書かれていることから、どうやら本当だったようです。

ビジネスの場において、こういった発言が出る時ってどんな時でしょうか?

対立する相手にこちらの希望を汲んでもらい、協調して動いてくれることを期待するなら出ない表現ですよね。

ましてや相手が英国人であれば下手な挑発は百倍の嫌味を返されるだけなのでタブーです。

このような発言が出てしまう背景には、おそらく気持ち的に「匙(さじ)を投げた」か「自身が追い込まれた」かのどちらかではないでしょうか。

もし、優位な立場で「匙(さじ)を投げた」のなら、このような発言はせずに突き放して無視するのが一番だと思いますけど・・・『地獄の特等席』に座るのが英国なのだとしたらです。

しかし、今回のEU理事会議長の発言だけではなく、「再交渉はしない」というEU側の頑なな姿勢の裏には、実はEU側の方に追い込まれた事情があるのかもしれません。

どうも英国側の方がのんびりしている印象で、もしかして「合意なき離脱」をしたいのかとさえ疑ってしまいます。

今後、再交渉をするかしないかの駆け引きの中で、「合意なき離脱」で本当に困るのは誰なのかも探ることができると思います。

  「合意なき離脱」の場合のマーケット


このブログでは度々ブレグジットについての記事を書いたのですが、ブレグジット関連のネガティブなニュースが出ると、マスコミやジャーナリストの思惑とは逆にマーケットの動きは反対に出ているように思います。

つまり、「合意なき離脱」のリスクが強まるニュースが出ると、ポンド安には向かうが英国FTSEは上昇する。

ブレグジットの国民投票の結果が出てから一貫してその流れではないでしょうか。



マスコミやジャーナリストの報道通り「ブレグジット=英国愚か」ならば、「為替安&株安&債券安」のいわゆる英国三安になるはずです。

でも、株式市場はポンド安に呼応して動くだけで、それ以上の動きはここまでのところありません。

もしかしたら、懸念される「合意なき離脱」となってもマーケットはマスコミやジャーナリストの予測とは違う動きをするかもしれません。

考えてみれば、世界最大の市場はアメリカと中国であり、将来的な期待はインドなどの新興国です。

EUから離れ、自国の経済に合った経済協定を結ぶメリットは確実にあり、英国がアメリカや日本と同じ立場に立つだけです。

理念と理想がどうあるべきかと、マーケットがどう動くかは別物であり、マスコミやジャーナリストはそこまで考えてはいないと思います。



というわけで、「合意なき離脱」もマーケット的には面白いかもと思い始めています。

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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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