TopixCore30採用銘柄のリーマンショック時と現在の配当利回りを比較してみました。
アメリカ株(NYダウ採用銘柄)とはまったく異なる結果が出ています。
目 次
おさらい:アメリカ株(NYダウ採用銘柄)の場合
先週はNYダウ採用銘柄のリーマンショック時と現在の配当利回りを比較したレポートを記事にしました。
ざっとおさらいすると、NYダウ採用銘柄の8割が15%超、6割が30%超、リーマンショック時の配当利回りからマイナス位置にあることがわかりました。
また、P&G(PG)、コカコーラ(KO)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、スリーエム(MMM)といった配当王たちは、およそ15%~30%のマイナス位置に集中していることが特徴的でした。
長きに渡り株主還元を重視してきたアメリカ株ではリーマンショック時から株価が上昇した現在の配当利回りが低位置にあるのは当然のことです。
日本株(TopixCore30採用銘柄)の場合
ちょっと時間が経ってしまいましたが、今日は日本株(TopixCore30)のレポートです。
📌 TopixCore30採用銘柄:リーマンショック時と現在の配当利回りの比較
※日経が大底を記録した28/Oct/2008を基準とします
※Yrs.は連続増配年数
📌 リーマンショックから現在の配当利回りの低下層の区分け
📌 参考:NYダウ採用銘柄
日本株でアメリカ企業並みに株主還元を重視してきた花王(4452)については-17%とアメリカの配当王たちと同範囲のマイナス位置にあります。
しかし、その他企業の三分の二はリーマンショック時より株価が上昇した現在の方が配当利回りが高いことがわかります。
プラス位置もJT(2914)の+261%をトップに三分の一が+50%超えです。
アメリカ株とはまったく異なる結果が出ています。
驚異的な株主還元の伸びを見せる日本株への投資について
この結果からわかることは、日本企業がリーマンショック時にはいかに株主還元を軽視していたかということと、反面、今現在は株主還元を重視する方向に舵を切った事実が数字で出ているということです。
もし、日本企業の株主還元姿勢がリーマンショック時と変わっていなければ、今現在の配当利回りがリーマンショック時を上回るわけがないからです。
日本企業の継続的な株主還元姿勢が本物かどうかはこれから厳しく試されるとは思いますが、花王(4452)のような企業も実際存在しています。
また、上記の表の"eYrs."=減配していない年数は一過性の記念配当を除いています。
実はTopixCore30中の5割以上の企業が10年以上、3割以上の企業がリーマンショックを乗り越えて20年以上減配していないという意外と知られていない事実があります。
📌 TopixCore30:"減配していない年数"別の銘柄数
日本的な記念配当が含まれていることに気づかず、「日本企業はすぐに減配する」という印象を持っている人もいるかと思いますが、この辺は表面的な数字だけではなく配当の中身を正確に把握して評価すべきかと思います。
思わぬところに株主還元を重視し継続している企業が隠れているかもしれません。
最近、日本政府からはやたらと投資を奨めるかのような情報や動きが漏れてきているように思いますが、だとしたら次にどうなるかのシナリオも想像しておきたいです。
もし、日本政府が社会保障の補填として投資を奨めたいのだとしたら、外国株を優先する法律や制度は作らないと思います。
たとえ株価の上昇が弱くても、配当利回りや増配率に劣っていても、今後の日本株への投資には一層の優位性が生じるかもしれないということです。早い話は"配当に掛かる課税"にです。
株主還元に本気の日本株の選別と仕込みをしておくべき時なのかもしれません。
誤解のないように付け加えておきますが、今日の記事の意図は「日本株にだけ投資魅力がある」という意味ではありません。
わたしは日本株にもアメリカ株にも英国株にもアジア株にも投資しています。
自分自身が納得する投資先バランスの問題かと思いますが、日本株でもアメリカ株でも特定の国への投資を必要以上に信用することは避けています。
💬 一番信用できないものがあるとしたら「わたし自身の思い込み」かもしれません。。。
一方的に、あそこはダメ、ここが一番、これしかないと頭から決めつけ、長~い目で絶好のチャンスを逃してしまうのはよくあることで、いつの時もそうですが気づいた時には頂点間近の後追いです。
何を言いたいかはおわかりかと思います。
(投資は自己責任で)
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というわけで、ダメと見切ったものこそ改めて見る価値があると思う。
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