注目のFOMCの結果は「政策金利据え置き」「声明がハト寄りに変化」です。
この結果を受けたマーケットの反応を整理してみます。
目 次
FOMCの結果
6/18-19に行われたFOMCの結果をさっくりとまとめると
- 政策金利は据え置き
- 声明:ハト寄りに変化
- 5月「様子見が適切」→ 6月「適切な行動をとる」 - FOMCメンバー(17名)の利下げ観測
- 2019:8名(0.50%=7名、0.25%=1名)…3月時点では0名
- 2020:9名
マーケットの反応
《NYの株価》
FOMCの結果が伝わった直後、株価は上昇するも限定的、終値はNYダウが+38.46(+0.15%)、S&P500が+8.71(+0.30%)と取り立ててFOMCの結果を好感したと言えるレベルではありませんでした。
ただし、S&P500は新高値まで1%を切るところまで接近し、先物では新高値をつけています。
《米債券》
2年債を中心に債券利回りは確実に低下しました。
《為替(ドル円)》
$1=108.30-40円で推移していたドル円は、FOMCの結果が伝わった直後から一気に円高に振れ、$1=108円割れまで円が上昇しました。
その後は$1=108円ちょうど近辺で踏みとどまっていたものの、東京市場が始まると一段と円高が加速し$1=107.50円台に突入、東京市場の引け前には一時$1=107.50円を割り込む場面もありました。
《日本の株価ほか》
急激に円高に振れた割に日経は終日プラスをキープ、終値+128.99(+0.66%)とNYよりも上昇しました。
また、上海は+2.38%の大幅上昇、インド、シンガポール、欧州主要国も上昇しています。
《原油》
原油についてはFOMCの結果による反応は薄く、ホルムズ海峡問題でのニュースによる反応の方が大きいようです。
わたしの思うところ
結局、今のところFOMCの声明がハト寄りに変化しただけで、金利そのものは据え置き、2019年の利下げ見通しの中央値も0.00%(0回)のままです。(2020年の中央値は0.25%(1回))
FOMCメンバーの半数以上が未だ年内利下げを予測していないということになります。
アナリストたちはFOMC声明のハト寄りの変化を「期待どおり」と評したり、「政府と市場の干渉にひよった」と揶揄したりしてますが、そもそも年内2~3回の利下げを期待し、早ければこのFOMCでサプライズもあるとしていたアナリスト予測とはかなりかけ離れた結果にも見えます。
実際、昨夜のNY株価は良いとも悪いとも評価していない範囲であり、債券と為替の方がはるかに反応しています。
これは利下げよりも2020年まで再利上げは無いと確信したからとも考えられます。
ただし、時間をおいて開いた東京含めアジア、欧州の株価上昇を受け、NYダウとS&P500の先物が大幅に上昇しているのはいつもと順番が違っていて面白い現象と思いました。
FOMCの結果が明確な利下げの時期示唆と約束には至らなかったことから、実は昨夜のNYは手さぐりで今夜のNYに正当な評価が表れるのかもしれませんね。
それはFOMCのハト寄りの変化を利下げ確実と解釈しての好感と考える一方で、現時点では緊急利下げを必要とする景気悪化の見通しには陥っておらず金利が据え置かれたことが却って好感されたと考えることもできるかと思います。
いずれにしても、S&P500の新高値へのトライとその後のトレンド、今後のドル円の動向に何かしらのヒントが表れるのではないかと注目しています。
というわけで、今回のFOMCの結果とマーケットの反応をどう解釈するか難しいところです。
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