2019-06-28

アメリカ食料品セクターの決算傾向を探る:マコーミック(MKC)とコナグラ(CAG)の決算発表から

Grüß Gott / Hello

6/27(BMO) マコーミック(MKC)-Q2.2019とコナグラ(CAG)-Q4.2019の決算発表がありました。

後に控える食料品セクターの次期決算傾向を探ってみます。

  目 次



  マコーミック(MKC):Q2.2019決算発表


Q2.2019
実績
前年同期比対市場予測
増減前年Surprise市場
売上$1.30B-2.26%$1.33BMiss-0.76%$1.31B
EPS$1.16+13.73%$1.02Beat+7.41%$1.08
- 前年同期比減収、マーケット予測もMiss
- コスト削減効果でEPSは前年同期比から2桁台の増益、マーケット予測もBeat

Full.2019会社予測修正前回予測対市場予測
売上1% to 3%-1% to 3%Beat$5.42B
EPS
5% to 7%
up
4% to 6%
Met
$5.20 - $5.30$5.17 - $5.27$5.26
- 通期EPSの上昇修正もマーケット予測の範囲



- 発表後の株価は寄りに-3.07%の下落から始まるもその後は切り返し、最大+3.62%(終値+3.48%)の上昇

  コナグラ(CAG):Q4.2019決算発表


Q4.2019
実績
前年同期比対市場予測
増減前年Surprise市場
売上$2.61B+32.49%$1.97BMiss-1.88%$2.66B
EPS$0.36-28.00%$0.50Miss-12.20%$0.41

Full.2019
実績
前年同期比対市場予測
増減前年Surprise市場
売上$9.53B+20.03%$7.94BMiss-0.73%$9.60B
EPS$2.01-4.74%$2.11Miss-2.43%$2.06
- 売上増はピナクルフーズ買収によるもの
- M&Aが収益に結びつかず苦戦

Full.2020会社予測修正前回予測対市場予測
売上1.0% to 1.5%-Miss$10.89B
EPS$2.08 to $2.18down$2.10 to $2.20Met$2.16
- 4月発表時よりFY20のEPSを下方修正



- 発表後の株価は最大-13.38%(終値-12.10%)の急落

  食料品セクターの次期決算傾向を探る


📌 6月に決算発表した主な食料品セクター企業の結果と株価の反応
Ticker 
Earnings
QuarterGuidance(FY)
Chenge
Chenge
売上EPS売上EPS前回
CPB6/5BeatBeat(down)Beat(up)10.02%10.03%
SJM6/6MissBeatBeatBeat-2.31%4.98%
GIS6/26MissBeatMissBeat-4.45%5.04%
CAG6/27MissMissMiss(down)Met-12.10%-14.50%
MKC6/27MissBeatBeatMet(up)3.48%-10.54%

Quarterの売上は軟調、ガイダンスも弱気傾向に出ているかと思います。

一方で各社コストダウン効果でEPSは増益傾向にあります。

コナグラ(CAG)についてはM&Aの結果が収益に出ないという状況なので、食料品セクターの傾向とは別に見た方がよいのかもしれません。

マーケット予測には及ばずとも前年比ではまずまずの決算だったゼネラル・ミルズ(GIS)マコーミック(MKC)の決算発表後の株価は、寄りに大きく売り込まれてから切り返しほぼ高値引けしています。マコーミック(MKC)は下げ幅分を+に切り返しています。

マーケット予測との差による爆落や爆騰はいつものことですが、いつまでも馬鹿みたいに売られ続けたり買われ続けたりすることはなく、今回はすぐに決算内容が見直され株価が修正される傾向にあるかもしれません。(今のところは・・・)

💬 次の決算期で下落のタイミングを狙うなら発表後の寄りということ?

今後の決算発表は再来週(7/9)にペプシコ(PEP)が控えています。

  気になる"のれん代"の売上比率


食料品セクター主力企業の"のれん代"の売上比が80%近辺と高いのが気になります。

📌 売上に対する"のれん代"比率
Ticker%
KHC139%…減損前は172%
MKC84%
GIS83%
MDLZ 80%
SJM80%
CAG57%
K45%
KO32%…飲料
PEP23%…飲料

飲料セクターには現れていませんが、食料品セクターの売上に対する"のれん代"比率を見ると、M&Aによる競争時代を端的に表していると思います。

M&Aに乗り遅れ、"のれん代"比率が低い食料品メーカー、ケロッグ(K)コナグラ(CAG)などがまさに苦戦しているようです。

まあでも、クラフト・ハインツ(KHC)の株価暴落までの経緯を教訓にすると、"のれん代"の行き過ぎた売上比は綻びの前兆と見た方がいいですね。

投資としてどのような防衛策をとるかは難しい問題ですけど。。。

(投資は自己責任で)

💬 アメリカに比べると日本の食料品セクターはのんびりしている、と思わずにはいられない。。。



というわけで、次期決算シーズンを前に食料品セクターの傾向チェックでした。

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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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