株式投資にはライフスタイルに合わせていろんなスタンスがあると思いますが、わたし自身はインカム(配当)を重視する投資をしています。
この理由について今日はお話してみたいと思います。
目 次
インカム(配当)投資に切り替えた四つの理由
投資を始めた頃は投資先を検討するのにインカム(配当)というのはほとんど無視していました。
100%キャピタルゲインを求めての投資でした。
それなりに「天国と地獄」を経験してきて、わたしにはインカム(配当)投資が合っているのかなという選択に辿りつきました。
マーケットは絶好調の時もあれば最悪の時もあります。
どんな状況でもいろんな意味で、"ほどほどのバランス"を保ってくれるのがインカム投資のメリットだと思います。
完璧な利益追求でインカム投資を選んでいるわけではありません。
わたしがインカム(配当)を重視する投資スタンスに切り替えた理由は大きく以下の四つになるかと思います。
- 再投資先を自由に選べる
- 「売る」駆け引きから解放される
- 確定した利益は暴落しても消えない
- アーリーリタイア後の現実の生活資金
1. 再投資先を自由に選べる
同じ企業に再投資し続けるなら配当より自社株買いをしてもらった方が株主にとって投資効率が良いという論理はわかります。
配当はその都度税金をとられてしまうので不利と言えば不利です。
しかし、得られた利益はいつも同じ企業に再投資したいわけではありません。
長期的にはいろんなトレンドが訪れ、コアにしたい投資先も状況に応じて変わります。
ポートフォリオのバランスや割安感から違う企業への投資に回したい場合もあると思います。
もらった配当金は他の企業に投資してもいいし、株式以外に投資してもいいし、キャッシュのままにしておくこともできます。
インカム(配当)の使い道とは状況に応じて自由に選択できるのです。
配当金総額が大きくなるほどこの使い道の選択肢は広がります。
これに対し、「株式を譲渡(売買)すれば他の投資先を選べるじゃないか」と指摘を受けるかもしれません。
それについては、次の[2.]の理由が絡みます。
2.「売る」駆け引きから解放される
わたしの経験上、「買う」より「売る」方がはるかに難しい判断だと思います。
ましてや違う投資先へ資金を移動させたいがために「売る」という決断は躊躇します。
自分に都合良くマーケットが動いているわけではありませんから。
突き詰めると「愚かな欲」なんですけど、株価の100を見てしまうと110や120になると思い100では売れなくなります。
逆に下落モードでは、株価の100を見てしまうと90や80では売れなくなるものです。
株価がさらに70まで落ち込むと、せめて80に戻ったところで売ろうと思うのだけど、いざ80に戻ると90まで戻るとまた思ってしまう。
その繰り返しでいつの間にか売り時を逃してしまいます。
また、『長期投資』という投資スタンスへの拘りが「売る」判断を迷わせてしまうことも事実だと思います。
『長期投資』でも投資前の前提が崩れれば「売る」も真なのですが、その前提が崩れたという判断(≒悟り)も難しいものです。
こういった状況が絡む中で、違う投資先へ資金を移動させたいがために「売る」という駆け引きができるかどうかです。
出来たとしても結果が吉と出るかは別な話で、それが原因で毎日動くマーケットに一喜一憂してしまうのは精神的に良いことではないでしょう。
インカム(配当)投資だとかなりの部分でこの「売る」駆け引きから解放されます。
3. 確定した利益は暴落しても消えない
結局、株価が2倍になろうが、3倍になろうが確定しない限りは一銭の利益にもならないのがキャピタル投資です。
そして、含み益をすべて消し去るかのような株価の大暴落というのも必ずやって来ます。
無配当銘柄では株価が含み損を出したら、株価が回復する以外にその銘柄で損失を取り返す手段はありません。
それを嫌って譲渡(売買)してしまえば、『長期投資』じゃなかったの? と根本的な投資スタンスが揺らぎます。
厳しい言い方をすれば株価が回復するまでの間は普通預金にも劣る不良債券です。
あのマイクロソフト(MSFT)でさえ、トランプ相場が来るまでの15年以上、ITバブルの高値を回復することは出来ませんでした。
成長期待の中小型株なら諦めはついても、トップ企業の大型株で10年以上不良債券状態は辛いです。
インカム(配当)は確実な利益を毎期確定してくれますから、単純に配当利回り5%で購入したなら20年で原資はチャラとなり、残った保有株の価値はマイナスを生み出さない資産になります。
言ってみれば、インカムゲインによってキャピタルゲインも約束されていくというかんじでしょうか。
エクソン・モービル(XOM)やサザン・エナジー(SO)は確認できる限り70年間減配していません。
オイルショックもリーマンショックも関係ありません。
極端な話ですが、配当さえ維持してくれれば株価など上がろうが下がろうがどうでも良いのです。
その上で株価が上がり、増配してくれたら感謝しかありません。
いつの時も暴落は嫌ですけど、インカムゲインの防波堤は暴落時の大きな心理的支えになります。
4. アーリーリタイア後の現実の生活資金
生活するためには現金(キャッシュ)が必要です。
株式投資による収入だけのアーリーリタイアを目指す場合、日々の現金はどこから捻出しますか?
年金2000万不足問題にも共通するところですが、必要な現金を取得するために株式を売却しなければいけないとなると、ここでも上の[2.]の問題が生じます。
自分に都合良くマーケットが動いているわけではありません。
リセッション期間だったら損失を確定することになるかもしれませんし、保有し続けたい株式を泣く泣く売却しなければいけないケースも出てくるかと思います。
インカム(配当)だと、こういうことを考えなくても一定の現金が入ってきます。
現金が余ればまた[1.]に回すこともできます。
お仕事をして安定した収入がある時には気づかないことがいっぱいあります。
資産のほとんどを投資に注ぎこみ、キャッシュ比率が低い場合は、なおさら先の現実を考えなければいけないと思います。
アーリーリタイア後の生活資金の調達を考えたら、インカム(配当)投資は有効な方法だと思います。
それぞれのライフスタイル、価値観、目標に合わせていろんな投資スタンスがあって良いと思います。
(投資は自己責任で)
というわけで、それぞれの投資生活がうまくいきますように。
Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you
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