2019-12-11

サウジアラムコの上場で警戒すること:世界的な株安

Grüß Gott / Hello

12/11 いよいよサウジアラムコがサウジアラビアの株式市場に上場します。

時価総額世界第一位の上場が株式市場に与えるネガティブな影響について考えてみます。

  目 次



  サウジアラムコの上場基本データ


  • 上場日12/11 サウジアラビア市場
  • IPO価格:32リヤル(約930円…12/5時点)
  • 時価総額$1.7T
    ※参考:アップル(AAPL)=$1.2T, マイクロソフト(MSFT)=$1.1T(12/11)
  • 調達規模:$29.4B
    ※12/5発表時の$25.6B(全株式の1.5%)から応募超過に応えて拡大
    ※過去最大はアリババ(BABA)の$25.0B

  📰 ニュース元:ロイター - ニュース
      ➤サウジアラムコIPO、調達額294億ドルに拡大

  ここまでの流れをふりかえる


サウジアラムコ12/11の上場予定を発表したのは11/5です。

この前週の10/29に英国は議会解散と12/12の総選挙実施を発表しています。

上場同週の予定では、FOMCの結果が12/11(NY午後)米中貿易協議の追加関税発動期限が12/15です。

また、上場前週の12/5-6にはOPECの日程が入っていました。

サウジアラビアはアラムコの上場に向けて、原油価格を崩されたくないがためのOPECへの根回し、世界株式の他の動向要因に初値を乱されたくない意図、さらに最悪株価が下落した場合の理由付けを得るために他イベントの直前、特に予測のつかない英国総選挙の前日に上場日をもってきたのではないかと推察します。

直近のOPECのサプライズな減産計画と原油価格の上昇を見るにおそらく大筋間違ってはいないと思うのですが。。。

  原油価格への影響


12/5-6に開催されたOPECの結果、現在の減産幅日量約120万バレルを来年1-3月まで170万バレルと拡大、予想を超える追加減産に原油価格は急騰しました。

📈 原油:WTIチャート(3m)

サウジアラビアの思惑どおりに原油価格は短期的な上昇トレンドにあります。

この位置($60近辺)で原油価格が安定すれば原油を原因とする株安は起きないと思われます。

原油価格が$55を超えると干渉発言を繰り返してきたトランプ大統領も今回は静かなところが不気味ですよね。


  株式市場に与えるネガティブな影響


サウジアラムコの上場(12/11)による世界株式への影響については、今のところほとんどのアナリストはネガティブな材料にはしていない、むしろ活性化の好材料にしているようです。

しかし、チキンハートなわたしはいつもながらネガティブなシナリオを考えてしまいます。

結論から言うとサウジアラムコの上場後、何かしらの悪いニュースをきっかけに遠くない将来に世界的な株安が起きるのではないかという心配です。


時価総額世界一に躍り出るでしょうサウジアラムコの上場を何が何でも成功させるために、巨大な中東マネーが原油と株式を必要以上に支えに動いてきたと思うからです。

現在の株式マーケットのテクニカルでは説明できない強さもそこにあるのではないかと・・・

もし、その支えが役目を終えたら=中東マネーが利確に動いたら、箍が外れたような株安に転じるのではないでしょうか。


サウジアラビアとしては、意地でもアラムコ自身の要因で原油価格や株価を下落させたくないでしょう。

だから、英国総選挙(12/12)米中の追加関税発動期限(12/15)など責任を押しつけられるビッグイベントの直前に上場し、その後の悪材料を待って動くのではないかと警戒するのです。

来年3月のOPECまではその警戒は解いてはいけないと思っています。


本音
わたし自身の買い場が欲しいからこういうこと想像しているのかもしれません。。。


もうひとつは現実的な影響として、世界インデックスのようなファンド(ETF含)においては、サウジアラムコのような巨大な時価総額を持つ企業が上場すれば必ず銘柄入替が発生すると思うので、数学的な動きが起きるのではないかと想像します。

石油エネルギーセクターのファンド(ETF含)の方が影響が大きいかもしれないですね。

数学的な動きだけの場合は企業価値が変わるわけではないので買い場だとは思うのですけど。

石油メジャー(XOM,CVX,RDS-B,BPなど)の株価の動きには注目したいです。

(投資は自己責任で)


というわけで、今週は世界的なビッグイベントが続きますね。

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