最終週を残していますけど、2019のマーケットをふりかえってみます。
目 次
- 2019:主要株式指数と為替と原油・金(Gold)
- 2019:アメリカ株
- 2019:日本株
【注意】12月第4週(12/27)までのデータで集計しています。
2019:主要株式指数と為替と原油・金(Gold)
📌 2019 主要株式指数と為替と原油・金(Gold)
📌 NYと日経の過去5年騰落率
《主要株式指数》
昨年暮れのクリスマスショックで発射台が低かったこともあり、株式はグローバルに二桁の上昇率となりました。
米中貿易協議の暗転と経済減速懸念に呼応するFOMCはじめ各国中銀の利下げに揺れた一年でしたが、年後半は売り方弱気の出来高が薄い中で株価はじわじわ上昇するという展開でした。
終わってみれば"アメリカ強し"で、S&P500が+29.25%と一番の上昇、NYダウとともに史上最高値を更新してほぼ高値引けです。
年中の最高上昇率では上海が4月に記録した+31.86%、米中貿易協議ショックで5月以降の上海はこれを超えることはありませんでした。
日経は年後半に盛り返し+19.10%の上昇でしたが、残念ながら昨年の高値を超えることは出来ませんでした。
TOPIXは+16.94%で日経より弱く、"S&P500>NYダウ"のアメリカとは一見逆の結果ですが、TOPIXCore30は+15.81%なので一概にアメリカと異なる結果とは言い切れないです。
つまり、日経寄与度の歪みがいよいよ深刻になってきたように思います。(言うまでもなく9983のような銘柄が原因)
欧州では、ブレグジット問題が進展し反発した印象が強かった英国FTSE100は+13.63%にとどまり、先進国では一番上昇率が低かったです。
一方、経済減速を危惧されたドイツDAXが意外にも史上最高値圏内に上昇(+27.15%)しており、フランスCACも同レベルの上昇(+27.62%)で史上最高値を更新しました。
新興国で一番注目するインドは+15.27%と先進国よりも低かったですが、史上最高値はしっかり更新しています。
当然のことですけど、昨年暮れの下落から年始の発射台の位置に差はあったかと思います。
来年は世界的に発射台が高いところから始まるので、さて、どうなることでしょう。。。
《為替》
いろいろなところで話題になっていますが、主要通貨ではポンドを除き近年にない変動の無い一年でした。
大きなリセッションが無かったので驚くことではないのかもしれません。
目に見えた円高アクションとしては、意図的な年始とFOMCの利下げが始まった後の8月だけでした。
2019の為替の主役はブレグジットの行方に揺れたポンドだったようです。
《原油・金(Gold)》
2019最大のパフォーマンスとなると、S&P500など比較にもならず、やっぱり原油でした。
WTIの上昇率は+35.90%、年中最高も4月の+46.65%で上海をはるかに凌いでいます。
実は年中最低が-2.27%とS&P500(-2.51%)よりも下落率が小さく、「原油は値幅が大きいから当然」という一言では済まない一年でした。
行き過ぎた原油安を読み切り、最大のキャピタルを狙うなら年前半の原油だったということです。
金(Gold)は米中貿易協議ショックが生じた5月から急上昇し、8月をピークにその後はすこし反落気味の横ばいを維持しています。
来年の大局を読むには引き続き重要なファクターになると思っています。
2019:アメリカ株
📈 S&P500:1年チャート
ふりかえれば、買い場は1月,5月,8月でした。
💬 一回くらい-15%級のリセッションが来ると待ち構えていましたが。。。
《セクター別》
📌 セクター別の年間パフォーマンス
間違いなく全セクター上昇です。
📌 Financialセクターのパフォーマンス
わたし的には Financial の動向が次の大局になると思っているので一番気になるセクターなのです。
Financial は1年~半年ではS&P500に劣っていますが、3か月比較ではS&P500を上回っています。年後半の上昇相場と一致しています。
Financial がS&P500を上回っている内は強い相場が続くのではないかと思いますが、12月の単月では再びS&P500を下回ったのが気になりますね。
全体的に好調な2019の裏で、Healthcare が Utilities に劣ったという事実も無視できないです。
また、ハイテクの Technology が生活必需品を含む ConsumerGoods に劣っています。
アップル(AAPL)が ConsumerGoods に属しているのでこのデータには微妙なところがありますが、バリュー株買いの傾向が顕著に表れていると思います。
ちなみにアマゾン(AMZN)は Services、アルファベット(GOOG)は Technology に属しています。
《NYダウ30》
📌 年間騰落ランキング
📌 週間騰落の年間登場ランキング
- 登場回数:ボーイング(BA)=52週16回…Gainer/Loserともに首位
- Gainer比率が高い:インテル(INTC),ゴールドマン・サックス(GS)
- Loser比率が高い :ユナイテッドヘルス(UNH),シスコ(CSCO)
ボーイング(BA)は2月に3週連続首位もあれば、12月は4週連続最下位とさしずめ年間トレーディングチャンピオン、良くも悪くもボーイング(BA)が主役の一年だったと思います。
年間を通して一回も週トップにもビリにもならずアップル(AAPL)に次ぐ年間上昇率2位だったマイクロソフト(MSFT)が一番安定していたと言えるでしょうか。
《個別銘柄》
📍 高配当のディフェンシブ系銘柄が軒並み指数を上回るパフォーマンス
生活必需品や公益セクターの高配当銘柄が頑張った一年でした。
配当利回りが高い生活必需品や公益セクターが上昇相場でS&P500を上回ることは普通ならありえないことです。
特に規制で収益成長が限定される公益セクターでこの傾向が出ることはかなり珍しいと思います。正直不気味です。
こと2019のアメリカに限ってはインデックスよりもディフェンシブ系の高配当銘柄を保有していた方が成績が良かったということになります。
📍 明暗分かれたファッション銘柄
米中貿易協議の追加関税をめぐりもっとも二極化したのは製造業銘柄よりもファッション銘柄でした。
北米でしっかりした収益を確保している企業は買われましたが、アジアの事業比率が高く売上減少の企業は容赦なく叩き売られる状況でした。
今年に限ったことではありませんが、浮き沈みの激しいセクターでは上昇相場でも要注意ということです。
📍 石油メジャーは低迷
年始からの上昇率では原油が一番と伝えましたが、石油メジャーの株価は総じて低調な結果で終わりました。
確実な利益を確保するにはまだまだ原油価格が低いのかもしれないですね。
📍 一悶着あった銘柄の年間騰落率をチェック
2019:日本株
📈 日経225:1年チャート
《個別銘柄》
📍 輸出製造業の大手が復活の兆し
トヨタ(7203)は引き続き強かったとして、日立(6501)、ソニー(6758)といった日本を代表する輸出製造業の大手が復活してきました。
ソニー(6758)は1000円を割れていた頃が嘘のようです。
日立(6501)は聖域なき事業整理計画を高く評価されたようです。
ホンダ(7267)、ブリヂストン(5108)、キヤノン(7751)あたりが来年追随できるかに注目したいです。
📍 不安を打ち消した通信株
昨年後半、「通信料金が高過ぎる」という某政府高官の発言をきっかけに通信料金値下げの動きが出て、これを悪材料に通信株の株価が急落しました。
しかし、KDDI(9433)もドコモ(9437)も今期しっかり増配、業績への影響も限定的で今のところ通期の進捗も想定以上です。
アナリストの悲観予測に反し株価は昨年の高値に戻っています。
昨年12月IPOで大きな注目を集めたソフトバンク(9434)は8月に公募価格を取り返しており、今後は配当利回り次第で狙っても面白いかなと思います。
というわけで、それぞれの投資生活が2020もうまくいきますように。
LINK
世界のマーケット情報
➤世界の株価と日経平均先物 (nikkei225jp.com)
➤株式マーケットデータ (stock-marketdata.com)
米国株のパフォーマンス
➤FINVIZ.com
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