2023-05-25

日経225採用銘柄の配当動向をチェック(2023.May):嬉しい増配傾向が続いている

Grüß Gott / Hello

日本企業の2023年3月期の決算発表がほぼ出揃いました。

ここで日経225採用銘柄の気になる配当動向をチェックしてみました。

  目 次



  日経225採用銘柄の配当データを更新


最新の配当データを更新しました。

データ
  このブログの[配当データ] ページはこちら
  📝 日経225採用銘柄の配当データ
    (Japan NIKKEI225 Dividend Data)
    ・連続増配年数
    ・減配をしていない年数
    ・来期予測/1/3/5/10/20年間の平均増配率
    ・1/3/5/10/20年間の平均利回り
    (Updated 20.May.2023)

日経225のほかにTOPIX Core30とLarge70、ほかにチキンハートが気になる銘柄も一部掲載しています。

  2022-2023期の配当実績


(🔎 グラフはクリックすると大きくなります)

📌 日経225採用全銘柄の配当実績(2022-2023)

※参考:前年(2021-2022)


増配銘柄数は156銘柄,全体の69%と好調だった昨年(68%)の傾向を維持しています。

S&P500採用銘柄の増配銘柄比率(70%)とも差がありません。


10年以上減配していない配当実績のある銘柄に絞ってみると・・・

📌 日経225採用中10年以上減配していない銘柄の配当実績(2022-2023)

* 減配:デンカ(4061)…eYrs.=13でストップ
※参考:前年(2021-2022)


対象99銘柄中75銘柄(76%)が増配となり、昨年の70%からさらに増加しました。

同条件のS&P500は92%が増配とアメリカ株の増配力には負けています。


総じて配当実績のある銘柄についてはコロナパンデミックからインフレピークを経過し増配傾向が強まったと言えるかと思います。

インカム投資家にとっては嬉しい傾向です。

  2023-2024期の配当予測


📌 日経225採用全銘柄の配当予測(2023-2024)



10年以上減配していない配当実績のある銘柄に絞ってみると・・・

📌 日経225採用中10年以上減配していない銘柄の配当予測(2023-2024)

*無配:住友ファーマ(4506)…eYrs.=27でストップ(予定)
*減配:宝HD(2531)…eYrs.=26でストップ(予定)


いずれも現時点で配当未定分を考慮しても10%ほど増配銘柄が減少、増配率も低下する見込みです。

ただし、日本株は中間の状況で増配に踏み切る企業が多いので巻き返しに期待したいです。


News
早速、日経225以外では中国電力(9504)が黒転からの復配を決定したようです。(Maay.23)

  連続増配と減配していない銘柄


📌 10年以上連続増配の日経225採用銘柄
CompanyCode期末Div.YYrs.eYrs.増配率(%)次期(%)
花王445212月2.8233352.781.35
KDDI94333月3.3021298.003.70
アサヒGHD250212月2.7415333.671.77
テルモ45433月1.12133417.6510.00
大和ハウス19253月4.1713133.173.85
富士フイルム49013月1.94131318.1815.38
豊田通商80153月3.59131326.250.99
NTT94323月3.0312234.354.17
塩野義製薬45073月2.26113417.3911.11
日産化学40213月2.74113034.430.00
アステラス45033月3.19112420.0016.67
東京海上87663月3.93112117.6521.00
エムスリー24133月0.58111618.75未定
丸井G82523月2.92111313.4671.19
積水ハウス19281月4.49111122.227.27
日清製粉G20023月2.5810322.562.50
コムシスHD17213月4.0910285.265.00
MS&AD87253月4.87102511.1120.00
村田製作所69813月1.87101315.380.00
ニデック65943月1.0210107.690.00
* Yrs.=連続増配年数,eYrs.=減配していない年数(普通配当のみ,特別配当は除外)


📌 30年以上減配していない日経225採用銘柄
CompanyCode期末Div.YYrs.eYrs.増配率(%)次期(%)
花王445212月2.8233352.781.35
テルモ45433月1.12133417.6510.00
塩野義製薬45073月2.26113417.3911.11
キッコーマン28013月1.1693411.481.47
信越化学40633月2.3483425.00未定
大阪ガス95323月2.753344.358.33
クレディセゾン82533月4.1723427.2714.29
セコム97353月2.272342.782.70
ニチレイ28713月1.941344.0042.31
武田薬品工業45023月4.140340.004.44
エーザイ45233月2.130340.000.00
HOYA77413月0.760340.00未定
イオン82672月1.420340.000.00
東京ガス95313月2.600340.000.00
ソフトバンクG99843月0.850340.000.00
アサヒGHD250212月2.7415333.671.77
キリンHD250312月3.431336.150.00
日清製粉G20023月2.5810322.562.50
中外製薬451912月2.326322.632.56
NTTデータ96133月1.272314.764.55
日産化学40213月2.74113034.430.00
キーエンス68613月0.5013050.000.00
ヤマトHD90643月2.030300.000.00
* Yrs.=連続増配年数,eYrs.=減配していない年数(普通配当のみ,特別配当は除外)
- 除外:積水ハウス(1928)…Y21/Y11期の記念増配扱いを見直し→Y12期減配


💬 花王({4452)さんにはなんとか連続増配を維持してほしいものです。

  セクター別の増減配傾向


📌 日経225採用銘柄のセクター別増減配傾向
業種
Y23増配率(%)Y24予想増配率(%)
HighAvg.LowHighAvg.Low
自動車125.0021.56-100.00100.0022.530.00
小売40.0015.840.0071.1917.230.00
保険23.8113.383.6121.0013.860.00
不動産38.2419.905.5619.1511.665.26
銀行23.5310.980.0028.1310.394.17
製造125.0032.510.00100.008.90-11.11
運輸110.0019.910.0060.008.51-20.00
全公益建設27.075.16-29.6336.847.890.00
建設140.0023.77-8.7028.576.200.00
商社33.3322.844.5514.295.410.00
その他金融27.274.92-12.5014.294.86-9.52
化学34.433.16-31.0320.004.63-33.33
食品34.2911.490.0042.314.46-28.95
ガス4.352.170.008.334.170.00
全ガス30.008.090.0015.382.900.00
通信8.003.420.004.552.480.00
鉄鋼金属200.0014.17-100.0088.002.43-73.66
日経225選抜*50.0010.61-31.0371.192.22-100.00
日経225全体200.009.54-100.00100.001.75-100.00
電機88.894.57-100.0017.650.68-50.00
ハイテク100.0020.010.0012.500.17-43.89
電力0.000.000.000.000.000.00
全電力20.00-61.82-100.000.000.000.00
素材31.25-0.97-100.0020.00-0.68-25.00
サービス42.867.73-48.7212.50-2.39-33.33
医薬品20.006.890.0016.67-5.11-100.00
海運100.0049.207.59-50.00-64.93-76.92
証券0.00-17.68-30.30-(未提示)-
*選抜=10年以上減配していない銘柄のみ


📍 銀行と保険
    2022-2023期,次期(2023-2024)予定ともに安定した二桁増配を示すのは銀行と保険です。

    特に 保険 は昨年(2021-2022)期から3期連続二桁増配を続けることになります。

    で、金融セクター全体が良いかと言えばそうではなく、証券,クレジットなどその他金融には減配銘柄も出ています。

📍 通信・公益関連
    都市ガス,電力工事 が安定した増配を維持しています。

    電力については燃料高騰で最悪の無配続出。
    詳細は以下の別記事にまとめてます。



📍 自動車
    自動車は2022-2023期と次期(2023-2024)予定でいずれも増配率+20%超となっています。

    ただし、注意しなければいけないのは純粋に安定した2期連続二桁増配ではありません。

    日産(7201),三菱自(7211),マツダ(7261)などがコロナ禍に無配転落しており。これらの復配開始によって増配率を+20%超まで押し上げているからです。

    トヨタ(7203)は2022-2023期の増配率+15%で次期(2023-2024)は現在のところ未定…2期連続二桁増配の可能性は残ります。

    ホンダ(7267)は2022-2023期配当据え置き、次期(2023-2024)は+25の大幅増配を予定。

📍 商社
    バフェットさん参入で注目集めた総合商社は2022-2023期の増配率+23%と絶好調でしたが、次期(2023-2024)は減益傾向で増配率は5%と抑え気味。

📍 海運
    2022-2023期増配率で断然トップだった海運(+49%)は次期(2023-2024)-65%と大幅減配の予定を提示しました。

    でも、昨年同時期も減配予定を提示し終わってみれば一転大幅増配に転じたわけで、こればっかりは予測がつきません。

📍 ハイテク
    あまり配当に積極的ではないイメージがある半導体などのハイテクセクターですが意外にも2022-2023期は+20%の増配率でした。

    次期(2023-2024)は+1%未満とお寒い提示ですが、好業績増益があれば大幅増配に転じる可能性は十分あるかと思います。

    💣 海運同様にこういう大きく変動するセクターはインカム投資にはあまり向かない銘柄と思いますけど・・・

📍 小売
    思いのほか健闘していると感じたのはコロナ禍の影響がまだ残っていただろう小売セクター

    特に丸井G(8252)はコロナ禍を乗り越え11年連続増配を維持、2022-2023期の増配率+13%で配当利回りは2.92%、さらに次期(2023-2024)期予定は増配率+71%と株主還元を強める方針のようです。

    💬 決算発表後は株価も急騰し見込みの配当利回りは現時点で4%超。発表前からのホルダー様の勝利です。

📍 その他
    他に個別に目を引いたのは、アステラス製薬(4503)東京建物(8804)三菱倉庫(9301)

    採用銘柄数が少なく先々は分かりませんが不動産関連セクターも良かったようです。




(投資は自己責任で)


というわけで、日本株のインカム投資も長期で安定しますように。


LINK
日本株の配当データがわかるサイト
  ➤日本経済新聞 - 予想配当利回りランキング
  ➤IR BANK (irbank.net)

Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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