2019-04-05

海外投資家動向(9週連続売越)と日経の動き

Grüß Gott / Hello

先週(3月第4週)の海外投資家動向が発表され、9週連続の売越、先物も大幅な売越に転じました。

海外投資家動向と日経平均の動きを追ってみました。

  目次



  海外投資家動向:9週連続売越


JPX(日本取引所:8697)は毎週木曜日に先週分の投資部門別売買状況を発表しています。

日経平均を大きく左右する海外投資家動向の先週(3月第4週)は-744億円の売越となり、1月第5週から9週連続の売越となりました。

1月第4週のわずか1週分の買越を挟み、昨年11月第2週から20週で実に19週の売越です。

海外投資家は5か月間ずっと売り越しが続いている状況にあります。(参考:昨年1月第2週~3月第3週:11週連続の売越)

📌 海外投資家動向
(グラフはクリックすると大きくなります)

上のグラフは海外投資家動向と日経平均(黒線)の動きを示していますが、今年に入ってからは同調していないように見えます。

昨年11月第2週~1月第3週の海外投資家の売越10週期間ではその累計(階段枠)は-2兆2,379億円、日経平均も同調して-13.64%下落していました

ところが、今年1月第5週~3月第4週の売越9週期間では売越累計は-2兆749億円と週平均の売幅は拡大していますが、日経平均は+2.08%と逆に上昇しているのです。

この逆転現象はどうして生じたのでしょうか?

  先物の海外投資家動向


今年に入り、現物の海外投資家の売越に対して日経平均が下落せず逆に上昇した背景には、先物での海外投資家の買越があったからとされています。

📌 海外投資家動向:現物+先物
※先物は日経とTOPIX(miniは含まない)
(グラフはクリックすると大きくなります)

ちょっと見辛くて申し訳ないですが、棒が先物の海外投資家動向です。

先物の方は今年に入ってから13週中12週が買越、2月第2週~3月第3週までは6週連続買越となっていました。

現物との合算(階段枠)でも1月第3週~2月第4週まで7週中6週買越で、ちょうど日経平均(黒線)の動きと同調します。

たしかに、先物の海外投資家動向が日経平均の動きに大きく影響していたと考えることはできます。

日経平均と先物はマーケットオープン時は大きく乖離することはないのですが、日本の場合は配当期が集中する3月と9月が近づくと配当分を見越した乖離が生じてきます。(通常の先物には配当が無いため)

その乖離分、安くなる先物に海外投資家の買いが集中していたということになりますが、先週一気に売越に転じました。

先週の先物の売越は-7,444億円(現物合算-8,185億円)という巨大なもので、昨年10月第2週(先物-1兆1987億円, 現物合算-1兆5277億円)後では最大の規模です。

その割には先週、そして発表後の今日も含めて日経への影響は大きく出ていないので、ちょっと不気味な感じがします。

日銀(8301)が先週大量の買いを入れたという可能性が高いでしょうか。

なお、誤解があるといけないので補足しておきますが、3月と9月の配当落日の週に必ずしも海外投資家の大規模な売越が生じるわけではありません。

過去の大規模な売買が発生した前後のトレンドとも比較して、さらに研究してみる価値があるかもしれません。

  長期連休を前に警戒


今年のGWは新天皇即位で10連休となります。

この4月、特にGW前々週~前週の海外投資家動向為替には警戒が必要かと思います。

海外投資家動向は現物だけではなく、先物、その合算にも注意ということですね。

この警戒は悲観的に考えているわけではなく、「チャンスに備える」という意味合いの方が強いです。

メモ
📌 海外投資家動向を調べる方法

JPX 日本取引所グループ - マーケット情報
  📍 現物 - ➤統計情報(株式関連)- 投資部門別売買状況
  📍 先物 - ➤統計情報(先物・オプション関連)- 投資部門別取引状況


というわけで、一週遅れの海外投資家動向の発表は証券業界の情報の「囲い込み」だと思うのだけど・・・

LINK

Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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