ソフトバンクG(9984)が新たに5000億円の個人向け社債を発行するそうです。
調達目的は「過去の社債の償還」のため・・・って
目 次
ソフトバンクG(9984):5000億円の個人向け社債を発行へ
ソフトバンクG(9984)はこの4月に過去最大5000億円の個人向け社債を発行するそうです。
利回りは年利1.3~1.9%を予定されています。
驚いたのは、その調達目的が「過去の社債の償還のため」というなんとも正直なものですが、果たしてこの目的で社債を買う人がいるのかなと疑ってしまいます。
📰 情報元:日経新聞 - マーケット
- ➤ソフトバンクG、4月に個人向け社債5000億円
日本企業で過去最大規模、社債償還資金を調達
- ➤ソフトバンクG、4月に個人向け社債5000億円
日本企業で過去最大規模、社債償還資金を調達
ソフトバンクG(9984)は海外格付け会社から既に「投資不適格」と評価されており、金融機関、機関投資家からの資金調達が困難になっていることも一因のようです。
病的な資金調達スパイラル
ソフトバンクG(9984)のメインバンクとしてはみずほ銀行(8411)ですが、大型M&Aの連続にメインバンクもさすがにこれ以上の資金提供を拒んだものと想像します。
銀行から借りることが出来なくなったから、個人のお金に目をつけたのかな。
ソフトバンクG(9984)は昨年12月に通信部門のソフトバンク(9434)を上場させ、市場(個人)から2兆円規模の資金を調達するに至っています。
うち6000億円分は2月に本体(9984)の自社株買いに当てたことで資金の使途に疑問を投じられました。
勝手な想像になりますが、社債の償還に窮しているなら単純にその6000億を回せたと思うのですが、タイミング的に株価(時価総額)を吊り上げて、金融機関、機関投資家からの資金調達を模索したけど叶わなかった、だから社債発行に踏み切ったということなのでしょうか。
現時点で過去の社債の償還が出来ないのであれば、「自転車操業」を疑われても仕方がないと思います。
一方で大型M&Aを繰り返すことで、ソフトバンクG(9984)は「自転車操業」ではない将来の期待を勝ち取っているのだとすれば、もう引き返すことができない「病的な資金調達スパイラル」に陥ってしまったことを懸念します。
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膨らむ有利子負債とマイナスキャッシュフロー
📍 売上,営業利益,有利子負債,のれん代
※Liabilitiesは有利子負債, Goodwillはのれん代
- 2019年3月期の有利子負債は≒17兆円に拡大
- 有利子負債の膨張トレンドが売上のそれを上回っている
- のれん代は日本企業で第一位の額
📍 キャッシュフロー
- 2014年3月期よりフリーキャッシュフロー(FCF)はマイナス
- 2018年3月期のFCFのマイナス額は営業利益の3倍近くまで膨らむ
わたしの投資計画
思うのは、社債とは事業投資のための資金調達が目的かと思います。事業投資による企業の成長と利益を期待できるから社債を買うわけです。
「過去の社債の償還」のための社債って・・・何を以って利払いしてくれるのでしょうか。
本来、それは過去の社債の調達目的で完結すべきことだと思います。
残念ながらソフトバンクG(9984)さんの思うように事業は進んでいなかったということではないでしょうか。
金融緩和を継続する日本においては、ソフトバンクG(9984)ほどの企業であれば金融機関から資金を調達しやすいはずで、にもかかわらず、金融機関から資金を調達できなくなった、これは何を意味しているのか? 何かの歯車がずれてきたように思います。
年利1.3~1.9%は日本円の社債としては魅力ですけど、背景にあるリスクを考えても外貨建MMFの方が安心かな。
一方、通信部門のソフトバンク(9434)については、配当の持続性が確認されて株価的にも魅力ある範囲に来れば検討したいと思います。
(投資は自己責任で)
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