2019-01-21

気になる長期増配率の変化:P&G(PG)vsボーイング(BA)/花王(4452)vsキヤノン(7751)に見る

Grüß Gott / Hello

配当増配率を長期で追うとリーマンショックを挟んで気になる傾向が見られます。

必ずしもディフェンシブ銘柄優勢の時代ではないかもしれません。

  製造業銘柄の長期配当増配率が好調


配当重視のインカムゲインを目的とする長期投資では、これまでディフェンシブ系の銘柄を絶対視する印象があります。

わたしのポートフォリオも全体の2/3をディフェンシブ系の銘柄で構成しています。

ところが、長期の配当増配率の推移を調べてみると、ディフェンシブ銘柄よりも高い増配率を記録している非ディフェンシブの高配当銘柄があり、リーマンショックを挟んでこの傾向が強まっているように見えます。

  花王(4452) vs キヤノン(7751)




連続増配年数では日本企業のトップを走る29年連続増配の花王(4452)と、連続増配年数は途絶えがちながら31年間減配をしていないキヤノン(77151)の増配率を1988年起点で比較したところ、2005年を境に明らかにキヤノン(7751)の方が上回っています。

参考までに1988年当時の配当利回りは、花王(4452)≒0.05%、キヤノン(7751)≒1.00%くらいでしょうか。

不動産バブル崩壊前の1988年を起点として、ITバブル崩壊も間にありますから、どちらかというと景気敏感のキヤノン(7751)の方が不利な起点かと思いますが、この結果です。

ただし、2016年頃からはキヤノン(7751)が停滞し、今度は花王(4452)の方が上昇する傾向が見えています。

いち早く中国依存からの脱却を計ったキヤノン(7751)と、中国需要(インバウンド含)が頂点に達している花王(4452)の背景があるでしょうか。

  P&G(PG) vs ボーイング(BA)




アメリカではどうなのかなと思い、62年連続増配のP&G(PG)と、連続増配年数は途絶えがちながら48年間減配をしていないボーイング(BA)を1988年を起点で比較してみました。

2014年頃から景気敏感のボーイング(BA)の増配率が際立ってP&G(PG)を上回っています。

こちらはP&G(PG)よりボーイング(BA)の方に中国需要の追い風が考えられます。

1988年当時の配当利回りは、P&G(PG)≒3.00%、ボーイング(BA)≒2.00%です。

  将来の高い増配率を記録する銘柄を探す条件


現在の状況が続くとすれば、配当重視のインカムゲインを目的とするにしても、必ずしもディフェンシブ銘柄偏向が効率的とは言えません。

TOPIXコア30、NYダウ採用30銘柄を中心にさらに過去を遡り、増配率のセクター別トレンドを見返す価値はあると思います。

ここのところのテーマとなっていますが、将来の高い増配率を記録する銘柄を探す条件としては、「連続増配年数」よりも「減配をしていない」が重要な手掛かりになると思います。

POINT
・大きなリセッションを乗り越えて「減配をしていない」銘柄
・株価が下落して高配当で(割安に)放置されている銘柄

🔖  このブログの[配当データ] ページはこちら
  日経225採用銘柄の配当データ
    ・減配をしていない年数
    ・1/3/5/10年間の平均増配率
    (Last Updated 31.Dec.2018)


そして・・・

もしかすると、今が非ディフェンシブ系の増配率がピークという見方もできるかも。。。

わたしのような凡人が思った時がその傾向の終焉ということです。

ということは、著しく増配率が低迷しているディフェンシブ銘柄に妙味のタイミング?

(投資は自己責任で)


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