NYダウ採用銘柄のリーマンショック時と現在の配当利回りを比較してみました。
PG,KO,JNJ,MMMなどの配当王銘柄にはある特徴的な指標があるように思います。
目 次
NYダウ採用銘柄:リーマンショック時と現在の配当利回り比較
当たり前のことからで恐縮ですが、株価が上昇すれば配当利回りは下落し、株価が下落すれば配当利回りは上昇します。
数十年に渡り減配したことがない企業の場合は大きなリセッション時につけた配当利回りが最割安を示す何かしらの指標になるのかなと思いちょっと調べてみました。
📌 NYダウ採用銘柄:リーマンショック時と現在の配当利回りの比較
※DJIAが大底を記録した06/Mar/2009を基準とします
※Yrs.は連続増配年数
※eYrs.は減配していない年数,"g"は表示年数以上の可能性あり
📌 リーマンショックから現在の配当利回りの低下層の区分け
NYダウ採用銘柄でチェックしてみると、リーマンショック時につけた配当利回りから今現在で、30銘柄中の8割の銘柄が15%以上低下しており、6割が30%以上低下しています。
今後同等の大きなリセッションが来た場合、リーマンショックからの配当利回りの低下率を基準にすれば、その低下率分、株価の方が下落するリスクがあると考えれらます。
普通に考えると、あのリーマンショックの底値でつけた配当利回りを今超えている銘柄は無いと思うのですが、ユナイテッド・ヘルス(UNH),IBM,エクソン・モービル(XOM),ウォルグリーン(WBA)の4銘柄はリーマンショック時より現在の配当利回りの方が高いことがわかりました。
エクソン・モービル(XOM)とIBMは割安?
現在の配当利回りがリーマンショック時よりも高い4銘柄中、当時からNYダウに採用されていたのはエクソンモービル(XOM)とIBMになります。
いずれも現在の業績が不安視されていることが背景にありますが、長期的視点で見れば現在のような低迷期は何度も乗り越えてきた二社です。
リーマンショックの底値時の配当利回りを今現在上回っているということは、今こそが割安で放置されている時期とも考えられ、この機会にこつこつ買い増しすることは一理あると思います。
仮に株価がさらに下落するようなことがあれば、ますます有利な利回りで購入することが出来るというわけです。
IBMについては90年代に一度減配をした過去があるので注意は必要ですが、エクソンモービル(XOM)については同社サイトの情報によれば70年間減配したことがありません。
わたしがネットで確認できる限りでは、公益電力のサザン(SO)とならび減配していない期間では最長です。
その昔のオイルショック、中東の政情不安も乗り越えて減配していないということになります。
エクソン・モービル(XOM)の現在の配当利回り5%で得られる配当金額は、この先も減配しない限りはずっと貰える額です。
エクソンモービル(XOM)一社に資産のすべてを賭ける人はまずいないと思いますが、極端な話をしてしまえば、エクソンモービル(XOM)が未来永劫減配しないことを前提に1億円投資すれば即時アーリーリタイアが可能ということです。
その後のエクソンモービル(XOM)の株価がどれだけ下がろうが関係ありません。
(投資は自己責任で)
配当王たちの利回りに見られる特徴(PG,KO,JNJ,MMM)
50年以上の連続増配を続ける配当王のP&G(PG), コカコーラ(KO), ジョンソンエンドジョンソン(JNJ), スリーエム(MMM)は、リーマンショック時に記録した配当利回りから現在-15%~-30%の低下位置に集中しています。
Nyダウの他の半数以上の銘柄は配当王たちより低下位置が大きいのが特徴的です。リーマンショック時からNYダウに採用されていた銘柄に絞ればさらに顕著です。
これは偶然ではなく、安定した配当の増配継続力と株価の底固さの両方を持ち合わせる企業は一定の範囲で適性値を示すのではないでしょうか。
P&G(PG)を例にしてみると、つい1~2年ほど前に競争激化による業績悪化を不安視されて株価が低迷、事業売却などの再編を急いでいました。
株価と反比例して上昇した配当利回りは一時、リーマンショック時の3.5%を超えていたかと思います。低下位置は割安のプラスを示していたということです。
その後は建て直し、今現在の株価は史上最高値を更新し、配当利回りは2.9%に低下しています。
セクターにより配当利回りそのものには格差があり、時間の経過とマーケット全体のトレンドにより適性範囲も変動するかと思いますが、リスペクトされるほど長年減配せずに増配を続けるこの配当王4銘柄の大きなリセッション時の配当利回りからの低下位置は割安度を測る基準になると思います。
上の円グラフでは、■黄色が適値、■青■緑が割安、■桃が割高となるでしょうか。
今、スリーエム(MMM)が業績低迷予測から、ブラックマンデー以来の株価下落=配当利回り上昇モードですが、もしかしたら、これまでが期待が高すぎた割高域にあり、ようやく適値に戻って来たという判断もできるかと思います。
💬 いざ割安と思う範囲に株価が落ちてきても、「今度ばかりはまずいかも。。。」と不安が広がったり、「もうちょっと・・・」と欲が交錯したりで、思い切りよく動けないものですが。。。
NYダウに採用されていない配当王銘柄にも当てはまるかどうか、チェックしてみる価値はありそうです。
あと数年で配当王の仲間入りをするであろうペプシコ(PEP)やアルトリア(MO)もやはり-15%~-30%の低下位置にあるのです。
📌 参考:ペプシコ(PEP)とアルトリア(MO)
これも偶然でしょうか・・・
日本株では意外な結果
日本のTopixCore30でも同じようにチェックしていますが、連続配当銘柄の代表格である花王(4452)についてはアメリカの配当王たちと同じ結果が出る一方で、それ以外の銘柄ではまったく違う結果が出てきます。
現在の状況なら日本株への投資の方に魅力を感じてしまうような結果です。
話が長くなるので、日本株についてはきちんとまとまったら次の機会にお話したいと思います。
というわけで、ただの数字遊びかもしれませんが、"暇つぶしの斜め読み"にでもなれたら幸いです。
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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you
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