2018-10-05

通信株の評価に思う素朴な疑問:ドコモ(9437)など

Grüß Gott / Hello

世界各国の通信株は一様に低いP/Eに抑えられています。いつも「どうしてかな」と不思議に思います。


  世界の主要通信会社のP/Eと配当利回りの一覧


CompanyCountryTickerFwd P/EDiv.Y5Y-Div.YYrs.
AT&TUST9.375.86%5.25%34
VerizonUSVZ11.584.38%4.52%13
BCECABCE14.305.76%4.89%?
TELUSCATU11.714.49%4.05%?
RogersCARCI11.492.88%3.74%?
BT GroupUKBT8.906.62%3.76%8
VodafoneUKVOD31.748.44%5.74%?
OrangeFRORAN11.176.01%4.75%?
TelefónicaESTEF7.855.99%N/A?
China MobileHK0941.HK9.914.51%3.58%?
SingtelSGZ7413.965.47%4.57%?
NTTJP943210.473.35%2.62%7
KDDIJP943313.183.34%2.76%16
DocomoJP943714.853.68%3.10%4
※Yrs.は連続増配年数(?は不明)

参考情報:➤総務省の世界情報通信事情

  どうして通信株のP/Eは低いの?


この理由を普通に考えてみると、
  1. 固定電話市場が飽和状態である
  2. 携帯の普及で固定電話離れが起きている
  3. 価格競争で利益の圧迫が懸念される
ということなのでしょうか。

世帯を持てば必ず固定電話を契約していた時代ではないですから、1.と2.の理由は納得するところはあります。

でも、ドコモ(9437)やチャイナモバイル(0941.HK)のような携帯に特化する通信会社は関係ないように思うのです。「携帯市場も飽和状態」という指摘がありますが、携帯を持つべき年齢に達する子供世代は毎年現れ、その分は新規契約増になりますから、固定電話とは状況が違いますよね。

3.の『価格競争』という背景はわかりますが、大手通信会社が赤字に陥るほどの利益圧迫は考えにくいですし、現在の配当を維持できなくなるような状況に追い込まれることも無いように思います。

  『たばこ株』との比較


同じく低いP/Eに抑えられている『たばこ株』の場合は、
・新規参入が無い
・売上減少でも値上げできる(価格競争が無い)

と言われてますが、アメリカではJUULという電子たばこのシェアを脅かす新規参入がありましたし、『値上げ』というのは増税の要因が基本でしょうから彼らが好き勝手に値上げしているわけではないと思います。

通信業界の場合は新規参入は多いですけど、結局は大手の牙城を崩すのは難しいでしょう。

また、業界全体で利益を圧迫するような要因がもし訪れるならば、たとえば「物価との相関関係で値上げ」という局面が、たばこ業界と同じように将来あってもおかしなことではないと思います。

  まとめ


「たばこ株は将来は無い」と思われながら、結果として高配当を維持し好増配を継続してきました。その『たばこ株』と同等以上に『通信株』は「今後も健在で利益を生み出し続けていく」と思うのです。


というわけで、魅力的な配当率に落ちてくるのを待ちながら、通信株をちょっとずつ拾ってます。

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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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