2018-10-14

アマゾン(AMZN):取り沙汰される噂に思うこと

Grüß Gott / Hello

時価総額第2位に昇りつめ首位をもうかがう勢い、もはや『巨人』と化したアマゾン(AMZN)に思うことです。


  アマゾン(AMZN)の利益とは


「インターネットの本屋さん」から始まったアマゾン(AMZN)は、今や誰もが利用する「インターネットのデパート」となりました。

数年前までは過剰とも思える投資が先行し、ほとんど利益を出せなかったのですが、2016年頃からしっかりとした利益を生み出すようになり、以降の利益成長率も目を見張るほど秀逸です。

ところが、アマゾン(AMZN)の利益をよ~く診てみると、その利益のほとんどはクラウド事業の"AWS(AmazonWebService)"から得ているもので、わたしたちがイメージする「インターネットのデパート」だけに焦点を当てると未だ利益が出せていない状態のようです。

ウォルマート(WMT)などの大手が"eコマース"に本格参入してくる状況で、アマゾンはその先行優位性を保つために今後も従来どおりの投資を継続していかなくてはいけないのかもしれません。

はたして、「インターネットのデパート」とは将来的に利益を生み出し続けることができる事業なのか疑問に思い始めてしまいます。

  人件費と運送費


アマゾンの小売事業については、かねてから自社従業員に対する低賃金と過酷な労働、いわゆる"ブラック"な問題が噂されてきました。

大統領予備選で民主党の候補だったサンダース氏からその点を指摘された際に、アマゾンがすかさず反応した様子などを見ると、「慌てて反応するってことは・・・やっぱり」と疑ってしまいますよね。

自社従業員のことだけでなく、運送業の人たち、もっと言えば生産者の人たちまで含めて、アマゾンは必要以上の料金値下げを強いている疑いも残ります。

日本のアマゾンもヤマト運輸(9064)に対する「低すぎる運送料金の問題」とかありましたよね。

率直に「そこまで他社に求めないと売れないの?」「そこまで安くしないと売れないの?」と思ってしまいます。

  あのダイエーとダブること


日本の小売業界に「革命」を起こした、とも言われなら拡大路線の末、転落したダイエーの姿がダブります。

ダイエーは売上を伸ばすために売場面積を拡大し、売場面積を拡大するために借金をし店舗を全国に展開、それを繰り返しました。

大量仕入を武器に低価格で商品を売りまくり、やがて小売業界の『巨人』として君臨しました。

現在のリクルート(6098)、ローソン(2651)も元々は『巨人』となったダイエーの多角事業展開から生まれた企業です。

「革命」とはいいつつ、あのような事業はパイがつきた時点で借金だけが残るわけで、その過程の中で地域の商店街が次々とシャッター街に追い込まれたことを見ると、ダイエー商法が経済全体として貢献したかというと微妙ですね。

デフレの張本人かもしれないし、運送業や生産者の人たちにも相当な無理を強いていたのではないでしょうか。

はたして、『巨人』と化したアマゾンはこの先どうなるでしょうか。

  アマゾン分社化の可能性は?


クラウド事業の方も競争がますます激しくなる世界だと思いますが、このままアマゾンのAWS事業が肥大化した場合、「クラウド事業の分社化」という話が出てくるかもしれないですね。

将来起こるべきシナリオを念頭に置きながら、その時に株主さんは株を持ち続けるべきか利確すべきか、難しい判断になると思います。


というわけで、運送業や生産者の人たちに無理を強いてまで自分たちだけが成功しようとする企業は・・・ですね?
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