2018-11-21

ウェルズ・ファーゴ(WFC):バフェットさんが売る理由

Grüß Gott / Hello

バークシャー・ハサウェイ(BRK)ウェルズ・ファーゴ(WFC)株を売っています。

いろんな憶測が飛び交ってますが、今日はこの件についてのお話です。


  BRKのWFC売却は持株比率の問題かと…


先日、とある経済番組でアナリストが「バフェット氏はウェルズ・ファーゴ(WFC)を売って、バンカメ(BAC)に資金を移している」というコメントがありました。

これは「(WFC)売り」という理解で良いのか、アナリストの言葉足らずなのかは読み取れませんでした。

ウォーレン・バフェットさん率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK)が、昨年2017.Q2からウェルズファーゴ(WFC)株を売っていることは事実です。

 BRKのWFC株売却履歴
Berkshire Hathaway
2017Reducel WFC
Q211,717,000
Q33,755,002
Q46,000,000
TTL21,472,002
2018Reducel WFC
Q11,719,024
Q24,499,486
Q39,652,058
Q4
TTL15,870,568

📌 情報元:DATAROMA (dataroma.com)
    ➤ - Warren Buffett - Berkshire Hathaway
        - Holding/activity history for  Wells Fargo (WFC)

しかし、わたしが昨年把握していたお話ではこの売却は持株比率の問題だったと記憶しています。

バークシャー・ハサウェイ(BRK)はウェルズ・ファーゴ(WFC)に対する持株比率を10%未満に抑える必要があります。

10%を超えるとウェルズ・ファーゴ(WFC)とのビジネスが制限される可能性があると、米連邦準備制度から指摘されたからです。


したがって、ウェルズ・ファーゴ(WFC)が自社株買いをするたびに、バークシャー・ハサウェイ(BRK)はウェルズ・ファーゴ(WFC)株を放出しなければいけないわけです。

ウェルズ・ファーゴ(WFC)は2017に2.57%還元規模の自社株買いを実施し、2018はそれを上回る6.29%還元規模の自社株買いが見込まれているようです。

バークシャー・ハサウェイ(BRK)はウェルズ・ファーゴ(WFC)株をさらに放出するものと思われます。

また、アナリストさんの言うところの「ウェルズ・ファーゴ(WFC)株を売却して得た資金でバンカメ(BAC)株を」という情報は聞いたことがないです。

バークシャー・ハサウェイ(BRK)もそのような発表はしていないと思うのですが・・・

  バークシャー・ハサウェイのポートフォリオ


2018.Q3時点のバークシャー・ハサウェイ(BRK)のセクター比のポートフォリオです。


AAPL:Technology, GM:Industrial Goodsで集計

近年のアップル(AAPL)の購入でTechnology(緑)の比率が高くなりましたが、もともとバークシャー・ハサウェイ(BRK)はウェルズ・ファーゴ(WFC)アメリカン・エキスプレス(AXP)を筆頭にFinancial(赤)セクターへの投資比率が高いポートフォリオです。

バンカメ(BAC)の保有株の70%はリーマン・ショック時の支援により得た優先株が元で、2017.Q3に普通株に変換された分と思います。

元々バンカメ(BAC)には多額を投資していたので、今回2018.Q3でバンカメ(BAC)を追加購入したことが、「ウェルズ・ファーゴ(WFC)からバンカメ(BAC)に資金を移す」というアクションには思えないのですが。

ひとつ「(WFC)売り」と考えられる理由があるとしたら、コカコーラ(KO)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、アメリカン・エキスプレス(AXP)は売却すると、もの凄い税金が掛かるでしょうから、バークシャー・ハサウェイ(BRK)にはこれまで売りたくても売れない状況があって、そこに都合の良い「売れるタイミング」が来た、ということでしょうか。

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  ➤ウォーレン・バフェットさんのこと


  不祥事が続くウェルズ・ファーゴ(WFC)


2016年に発覚した「不正なカード発行」を皮切りに不祥事が続いたウェルズ・ファーゴ(WFC)は顧客からの信頼を取り戻すために建て直し中です。

不祥事発覚後の上層部の対応が後手に回ったことが事態を悪化させたようで、ウォーレン・バフェットさんからもこの点について「事態を軽く見すぎている」と指摘がありました。

リーマン・ショックでは米国4大銀行の中で最小限の影響で乗り切り、その堅実な経営を好感されたウェルズ・ファーゴ(WFC)でしたが、この困難を乗り越え、再び銀行時価総額1位の座に返り咲くことができるか注目です。


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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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