2019-09-10

英国:ブレグジットの行方

Grüß Gott / Hello

今日はブレグジットのことを整理しておきます。

個人的なメモ書きです。

  目 次



  ここまでの経過とFTSEの動き


📈 FTSE:5年チャート

📈 ポンドドル:5年チャート

2016年6月の国民投票で英国はEU離脱を決定しました。

投票結果は国を二分するような僅差でしたが、地域別の差が色濃く出ていました。

EU離脱に反対する層=残留派は移民の多いロンドン、対イングランドを意識するスコットランド、離脱の影響が大きい北アイルランドですが、それよりもロンドン=シティの金融に携わる層が大きな残留派勢力になっていたと思われます。

ロンドン=シティの視点(都合)からのEU離脱の悪影響が国民投票前、後も大きく取り上げられ、そこに薄っぺらい上っ面だけの平和主義ジャーナリストたちも便乗しましたが、その後の英国FTSEの動きを見る限りマーケットの答は逆でした。

ポンド安は進みましたが、呼応するようにFTSEは2018年7月まで上昇トレンドとなりました。マーケットはEU離脱で為替安&株安の判断はしていないということ。

その後はメイ首相主導の下、EU合意案での離脱を目指しましたが、強行離脱派からの反対、加えて残留派の歩みのない反対に阻止されブレグジットは暗礁に乗り上げました。

EU離脱が進まない状況を確認すると、FTSEは下降トレンドに転じました。マーケットは為替安&株安の判断をしたわけです。

つまり、マーケットは英国のEU離脱が進む状況を支持しているということです。

正確にはおそらく、マーケットはEU離脱でも残留でも英国にとっては大した問題ではないと見ていて、とにかく事が進むことを支持しているのではないしょうか。(=EUへの影響の方が大きいということ)

今年2019年5月、ついにメイ首相は辞任に追い込まれ、強行離脱派のジョンソン氏が7月に新首相に就任しました。

ジョンソン首相は期限である今年10月に「合意なき離脱」を辞さない姿勢でしたが、今月、英国議会は「合意なき離脱」を回避する延長法案を可決、さらにジョンソン首相から提出された議会解散案は否決されました。

結局、メイ首相政権時代から何ひとつ進展してしないような状況です。

余談
💬 ポンド安について

ここにきて各国利下げモードになっていますが、英国は金利操作せずともブレグジットの先行き懸念でポンド安に持ち込めています。

昔からそうですが、彼ら(英国)のやることはなぜか結果オーライになる。。。


  残留派の罪


以前も記事にしましたが、まずもってこの話が進まない原因は残留派にあるとわたしは思っています。

彼らの行動を例えるなら、オリンピック開催都市を決めるのに一回目投票で敗れ去った都市に二回目以降もひつこく投票し続けるのと同じです。

国民投票で「EU離脱」が決まったのですから、「EU残留」という選択肢は捨て、「EU離脱」という前提で最善の離脱案を考えるのが民主主義です。

国民投票で敗れ去った層が、いつまでも「EU残留」に固執したことで、EUも望まない「合意なき離脱」に向かってしまったと言ってもよいと思います。


  今後のこと


ジョンソン首相はどのような形でも10月離脱を進めるために議会解散に持ち込みたいようですが、議会解散したらなおさら混乱するようにも思います。

おそらく、保守党も労働党も大敗し、極端な離脱派と残留派が躍進する結果になるのではないでしょうか。

再度国民投票の目も出てくるかもしれませんが、その結果はますます互いに譲らない二極化の対立状況を作り出してしまうかもしれません。

しかしまあ、このようになあなあでだらだらでどこに向うのかわからず相手をじらすのが英国流とも言えます。

今の香港のことも、ひいては中東のこともそうですけど、いつのまにか距離を置き、大火から逃れているんですよね、この国は。。。

賢いのか、ずるいのか、たぶんこれを「ずる賢い」というのでしょう。

ブレグジットの行方も、実は離脱派と残留派の立場を超えて、逃げ道をいくつも取っておくことを良しとしているのかなと疑いたくなります。

とにかく、これから来るかもしれないFTSE乱高下に挑めるように準備だけはしておきたいです。


というわけで、わけのわからない駆け引きがこれからも続きそうな英国です。

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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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