2020-01-30

キヤノン(7751)のQ4.2019決算発表:判断に迷う微妙なガイダンス

Grüß Gott / Hello

1/29(TYO-AMC) キヤノン(7751)がQ4.2019の決算を発表しました。

減収減益も強気な来期ガイダンスですが、EPS予測は2019配当額を下回っている。。。

  目 次



  キヤノン(7751):Q4.2019決算発表


📌 Full.2019
Full.2019-12
実績前年比対市場予測
億/円増減億/円Surprise市場
売上35,932-9.1%39,519Miss-1.0%36,284
営業利益1,746-49.1%3,429
最終利益1,251-50.5%2,527Miss-10.2%1,393
EPS116.93-50.0%234.09Miss-10.5%130.69
FCF1,299-23.5%1,697
- Q3発表の通期目標(売上36,250,EPS130.85)を達成できず実質Q1-Q4ですべて下方修正
- 通期好調の事業別メディカル,地域別国内もQ4に限っては前年比売上減
- 新規事業の売上構成比25%は目標達成

📌 Full.2020 Guidance
Full.2020-12会社予測前年予測
Guidance億/円前年比億/円
売上37,0003.0%39,000
営業利益2,30031.7%3,250
最終利益1,60027.9%2,400
EPS150.4028.6%222.27
FCF2,20069.4%3,050
- 来期ガイダンスは強気予測
- 新規事業の売上構成比目標は28%(最終目標30%)
- メディカル部門の北米開拓に着手
- EPS予測が2019年の1株配当=160円を割り込む

  📚 情報元:Canon Inc. - Investor Relations
      ➤Quarterly Earnings


- 発表後の株価は安値引けの-5.30%と大幅安

💬 わたしの思うところ

通期減収幅は1桁(%)で収まりましたが、Q4単独決算で期待のメディカル部門が前年同期比減収となったのが残念です。

来期は底入れ見込みの強気ガイダンスですが、実は一昨年(2017)の過去最高の実績、昨年同時期のガイダンスの予測値を下回っているのと、EPS予測が昨年の1株配当額(160円)を割り込んでいます。

昨年の度重なる下方修正の経緯もあり、これらを材料に嫌気売りされたと思います。


明るい材料としては、新規事業の売上構成比は目標どおり25%を達成し来期は28%を目指すとのことで、いよいよメディカル部門が北米に本格進出します。シーメンス(SIE.DE)GEの二強の牙城を崩せるかに注目です。


決算の補足資料や日経でも報じられていましたが、研究開発費の割合においてメディカル部門のそれがオフィス,イメージ部門に比べて半分くらいですね。

将来のコアとするならば、オフィス,イメージ部門を削ってでもメディカル部門への投資を強化してほしいところです。

そのメディカル部門の柱であるキヤノンメディカル(旧東芝)ですが、買収のために発生した巨額負債の返却が2020年度で完済の予定だったと思います。

これを凌げば財務的な重しは軽減されるはずなので、なんとか配当も維持してほしいところですね。


いろんな意味で今年は正念場、チャンスとみるかどうかは人それぞれですけど、わたしはもちろん"Buy&Hold"です。

(投資は自己責任で)


  📰 日経 - ニュース
      ➤キヤノンが「デジカメ会社」でなくなる日
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  業績と配当


(🔎グラフはクリックすると大きくなります)

📍 売上と営業利益

 📍 新規事業比率推移

※2017過去最高を100とした場合

📍 事業別売上 (2017-2019)

 📍 事業別売上比率 (2017-2019)


📍 配当推移

 
  • 配当利回り
    - 5年間平均:4.50%
    - 配当落日の最高:5.41%
    - 配当落日の最低:3.81%
  • 増配率
    - 2018-2019:0.00%
    - 5年間平均:1.33%
  • 連続増配
    - 32年間減配なし
        …増配回数は17回(53%)
  • 自社株買い
    - 2019:500億
    - 5年間平均:200億


というわけで、アメリカのハイテク主力に強い決算が出る中、わたしのポートフォリオは冴えない展開です。

LINK

Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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