2018-12-27

日本郵政(6178)のアフラック(AFL)への出資に思うこと

Grüß Gott / Hello

マーケットが激しく動いたことで後回しになりましたが、アフラック(AFL)への出資ニュースを聞いて、日本郵政(6178)のM&A戦略の変化を感じました。

  日本郵政(6178)がアフラック(AFL)へ2700億円の出資


12/13に噂が出ていましたが、12/19に日本郵政(6178)アフラック(AFL)への2700億円の出資を正式に発表しました。

2019年中にアフラック(AFL)の株式7%を取得し、4年後に出資比率が20%となりグループ化するそうです。

日本郵政(6178)はグループ化後のアフラック(AFL)から年数百億円の利益を見込んでいます。

アフラック(AFL)の利益の70%は日本市場が占めており、日本郵政(6178)はそのアフラック(AFL)の保険商品を取り扱ってきた経緯などから、お互いにメリットのあるM&Aになることが期待されています。


  日本郵政(6178)のM&A戦略の変化


日本郵政(6178)は今現在、ゆうちょ銀行(7182)かんぽ(7181)を抱き込むホールディングですが、郵政事業民営化の計画に従い、将来、ゆうちょ銀行(7182)とかんぽ(7181)の株式は売却しなければいけません。(当初は2017年期限でしたが、その後期限は撤廃)

このため、日本郵政(6178)は新たな収益源を求め、海外のM&Aに乗り出しました。

2015年にはオーストラリアの物流会社、トール・ホールディングスを6200億円で買収しましたが、これが大失敗で2017年にのれん代≒4000億円の減損を計上しました。

このM&Aの大失敗が影響しているのか、今回のアフラック(AFL)のグループ化を見込んだ出資に対しても一部で悲観視されているようです。

しかし、日本郵政(6178)のM&Aの対象が変化したことには注目すべきかと思います。

今回は「物流事業」ではなく、現在ホールディング内にある、かんぽ(7181)と同じ「保険事業」に出資したからです。

郵政事業民営化の計画があるがゆえに発生したおかしなこととは思いますが、将来売却しなければいけない保険事業の収益源を同じ保険事業から新たに獲得しようとする戦略は、ある意味現実的と思いました。

利益率の比較とかは同事業の方がわかりやすいですからね。

特にアフラック(AFL)は利益の70%が日本市場が占めているということですから、事業環境的にはこれ以上のM&A対象は無かったように思うのです。


  日本郵政(6178)の次のM&Aは?


日本郵政(6178)は今後もM&A戦略の継続を表明しています。

規制に縛られている日本郵政(6178)の運送事業では、ゆうちょ銀行(7182)とかんぽ(7181)に代わる収益源を求めていかなければいけないのは仕方のないところだと思います。

アフラック(AFL)への出資が決まったことから、おそらく、ゆうちょ銀行(7182)よりも先にかんぽ(7181)の株式売却が行われるのかな、と素人的には思ってしまいます。

かんぽ(7181)の前期利益が年1000億円、アフラック(AFL)から年数百億を見込むということは、もうひとつ保険事業で大きなM&A劇があるかもしれないと思ったりします。

日本郵政(6178)の次のM&A対象を想像するのも楽しいです。

📌 日本でお馴染みの保険会社(米国株のデータは2018.12.19時点)
TickerCompanyM.CapFwdP/ENetOper.MEPS-5YDiv.Y6178
METMetLife39.527.082.978.80%31.80%4.25%#
AFLAflac35.0710.984.9820.30%4.90%2.27%#
PRUPrudential34.766.386.928.00%60.30%4.35%
AIGAIG30.307.57-6.046.30%-20.20%3.43%#
MFCManulife30.047.082.449.10%7.10%5.12%
AXAHYAXA46.348.372.31--6.39%
ZURVYZurich45.1313.773.29--6.25%
7181.Tかんぽ15.1013.731.04-
36.54%
2.83%
8253.Tクレディセゾン2.156.470.38-193.79%3.44%#
※5Yは5年間成長率, "#"は日本郵政が商品取扱, 日本株は1$=¥100計算

➤郵便局の保険のホームページを見ると、アフラック(AFL)と同じように郵便局が商品を取り扱っているのは、メットライフ(MET)AIG(AIG)のようです。

財務状況をよく見ないと爆弾を抱えている可能性はありますが、業績低迷中のAIG(AIG)は割安で出資できるのかもしれません。

このように比較してみると、ちょっとP/Eは他より高目だけど、あらためてアフラック(AFL)への出資は良く見えます。


というわけで、アフラック(AFL)の収益の70%が日本というのはちょっと驚きでした。

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