2019-07-02

アマダ(6113):株主総会レポート

Grüß Gott / Hello

6/26 金属加工の総合メーカー、アマダ(6113)さんの株主総会に行ってきました。

少々日数が経ってしまいましたが、とても良い株主総会だったので紹介しておきます。

  目 次



  アマダ(6113):第81期定時株主総会


  • 日時:2019年6月26日(水) 10:00
  • 場所:アマダ本社 FORUM246(神奈川県伊勢原市)


  • お土産:クオカード(1,000円)

《株主総会の様子》
  • 司会は磯部社長
  • 映像による事業報告、中期計画"Task321" のプレゼン
  • 株主からの質疑応答
  • 希望者のみの施設見学会(詳細は別項で)

神奈川県伊勢原市にあるアマダさんの本社はびっくりするくらい綺麗でまるでリゾートホテルのようです。

株主総会が行われたホールは300名くらい収容できるでしょうか、アーティスティックな舞台風でとても素敵な空間です。

これは単に新しいというだけでは得られない、携わる人たちの気持ちが行き届いているからそう感じたのだと思います。

対応してくださった社員のみなさんもとても爽やかで親切でした。

(関係なさそうで重要なことですが、バスルームもとても綺麗でした)


出席の株主さんの中には経験豊富な個人投資家と思わしき人も多く、質疑も技術、事業、経営、将来課題と様々な分野にまたがりながら結構鋭い。

何を言いたいのかわからないような時間浪費的な質問や一言言わせろ的な非建設的な発言は皆無だったと思います。

磯部社長はじめ経営陣にもほどよい緊張感を感じました。

とても有意義な時間を過ごせた満足感と同時に、わたしなんかは投資家としてまだまだと痛感しました。

アマダ(6113)さんはさりげなく日経採用企業ですが、このくらいの規模の会社の方が実のある株主総会になるのかなとふと思いました。


《興味を持ったこと》

  • 配当のこと
    日本企業ではいち早く積極的な株主還元策を表明した同社ということもあり、配当を出すのは当然かのように話題にされており、その自信も感じました。

  • "Task321"
    既に掲げられていた中期計画なのだと思いますが、わたしとしては強く意識を向けられました。(詳細は別項で)

  • 金属加工業界こと
    世界の金属加工分野の市場規模は現在1兆円ほどでアマダさんはそのうち24%を占めているということです。ちなみにライバル企業は欧州に多いとのこと。

  • 為替目安
    $1=108円、€1=120円を想定しているとのこと。

それにしても、メーカーの経営陣さんは技術的な質問になると目を輝かせて一生懸命説明してくださるところが微笑ましいです。

磯部社長の回答がほとんどだったので、欲を言えば他の取締役さんのお声ももっと聞けたら良かったです。

  "Task321"とは


"Task321"とはアマダ(6113)が次の10年、その先の100年を見据え、2016年に策定された中期計画です。

  • "3":売上高30%増=4000億円

  • "2":経常利益率20%=800億円

  • "1":ROE10%

株主還元基準の策定もそうなのですが、アマダ(6113)さんにはマーケットや投資家を意識した経営戦略を強く感じます。

いろんな企業さんが中期計画なるものを立てますが、これだけ簡潔にズバッとゴールを示すものはなかなかないと思います。

もちろん、この中にはアマダの世界的技術に基づく具体的なプロジェクトがあってこそですが、株主還元基準と合わせて考えるととても魅力を感じる中計だと思います。

"Task321"の実現はイコール長期的な累進配当を約束するものと解すことができます。


  施設見学会


株主総会終了後、アマダの最新技術のマシンデモとアマダ記念会館(博物館)を見学しました。

《最新技術のマシンデモ》

  • 板金を機械に送ったり戻したりするロボットの実演
  • アマダ新技術のレーザーでいろんな板金にデザインした穴を空ける(くりぬく)大型機械の実演

普段あまり目にすることがない巨大な機械を前に"ものづくり"を支える舞台裏、"ザ・理系"を感じました。

施設内には他にもいっぱい機械がありましたが、時間の関係で見学はこの二つの機械のデモでした。

きっと、地元の小学生も社会科見学とかで訪れるのでしょうね。


《アマダ記念会館(博物館)》

創立70周年を記念して建てられた数奇屋造りの記念会館(博物館)です。


エントランスから大きな窓越しに優美な日本庭園が広がります。池には錦鯉が泳いでいました。

博物館はアマダの歴史と未来をテーマにした広い2空間があり、創業者の紹介とアマダを支えた伝説的マシンなどが展示されていました。

未来のブースでは展示されていたマシンを象ったミニチュア模型が可愛かったです。



見学会が終わったのは1時くらいだったでしょうか。

  業績推移と配当実績


    (🔎 グラフはクリックすると大きくなります)

    📍 売上と営業利益

    📍 セグメント別売上比率

    📍 キャッシュフロー

    📍 ROAと配当性向

    📍 配当実績

    • 配当利回り
      - 5年間平均:3.25%
      - 配当落日の最高:2.25%
      - 配当落日の最低:4.20%
    • 増配率
      - 2018-2019:9.52%
      - 5年間平均:18.93%
    • 連続増配
      - 9年間減配なし
      …増配回数は6回(66.67%)
      (2017記念配当あり)

    - 利益率、ROAが確実に上昇基調
    - 営業利益率は米国でも評価される15%射程内
    - 海外の地域別バランスがとても良い
    - 配当性向50%の基本方針

💬 将来のリスク分散となる金属加工以外の事業開拓に今後注目したいです。

  わたしの投資計画


とても小口ですけどいくつか保有しています。

アマダ(6113)さんに最初に興味を持ったのは株主還元を重視する企業を探していた時です。

日本企業では株主還元基準を明確に示す企業というのは少なかったのですが、アマダ(6113)さんはいち早く株主還元基準を示した企業のひとつです。

現在の株主還元基準の配当性向50%は2016年に修正されたもので、元となった2014年にはメーカーとしては信じがたい配当性向100%の基準を設けていました。

100%はいくらなんでもやりすぎで現在の50%は適切な範囲だと思いますが、いずれにしても株主還元意識がとても強い企業だと思います。

「配当も業績の一部」とも考えられる姿勢に投資家が魅力を感じるのは当然のことと思うわけです。


インカムゲインを意識した投資の場合はどうしても公益セクターやディフェンシブ系が中心になるのですが、景気敏感の製造業も持っていたいという気持ちがある中で、株主還元基準を明確に示すアマダ(6113)さんのようなメーカー企業は貴重な存在だと思います。

なかなかドンと買い増す機会は少ないのですが、今後も保有を続けてチャンスがあれば買い増しもしてみたいと思っています。

(投資は自己責任で)


というわけで、小旅行のようにはるばる遠くまで訪問した甲斐がありました。これからもささやかですがアマダ(6113)さんを応援していきたいと思います。

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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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