2019-07-29

キヤノン(7751)とドコモ(9437)の決算発表:最近の日経記者は大丈夫ですか?

Grüß Gott / Hello

キヤノン(7751)のQ2.2019とドコモ(9437)のQ1.2020の決算発表のことです。

ドコモ(9437)の決算に対する日経の的外れ記事についても。

  目 次



  キヤノン(7751):Q2.2019決算発表


《決算内容》

📆 7/24(AMC)発表
H1.2019-12
実績前年比
億/円増減億/円
売上17,703-10.0%19,670
営業利益835-52.3%1,750
最終利益658-51.2%1,347
EPS61.22-51.0%124.83
- 通期会社予測の半期分比で売上,利益,EPSとも大きく予測を下回る減収減益
- 欧州事業が急減速
- 医療機器,NWカメラの新規事業は好調
- 中間配当は80円据置も配当性向は100%超へ

Full.2020-12会社予測前回予測対市場予測
Guidance億/円前年比億/円Surprise市場
売上37,450-5.2%down38,500MIss-1.4%37,997
営業利益2,150-37.3%down2,740
最終利益1,600-36.7%down2,000MIss-19.1%1,978
EPS149.54-36.1%down185.23MIss-18.9%184.28
- Q1に続き通期見通しを下方修正

  📌 情報元:Canon Inc. - 投資家情報 - 決算短信・説明会資料
      ➤2019年12月期 第2四半期 決算発表

《株価の動き》

- 発表後の明けた7/25の株価は最大-3.04%(終値-2.79%)の下落
- 下方修正懸念の事前報道があった7/18比では最大-4.27%(終値-4.02%)の下落

💬 チキンハート(CH)の思うところ

残念ながらこの決算は悪いですね。

事前の懸念報道ほどではなかったですが、大幅な減収減益と下方修正を記録したので≒10%急落もありえるかなと思いましたが、今のところ踏みとどまっています。

ただし、欧州とアジアの経済減速は引き続き心配事で下半期も余談は許さない状況が続くと思います。

注目の配当は中間据置の80円が決定しましたが、下方修正された会社予測では配当性向が100%を超えてしまったのが気になるところです。

下半期、および来期以降は総売上の30%に到達する医療機器、ネットワーク(監視)カメラの新事業の成長にますます掛かってくると思います。

メディカルの負債返却が来期完了すれば年数千億の利益、CFが戻るはずなので来期までが耐え時であり、同時に仕込み時だと個人的には思っています。



  ドコモ(9437):Q1.2020決算発表


《決算内容》

📆 7/26(AMC)発表
Q1.2020-03
実績前年
億/円増減億/円
売上11,592-1.5%11,766
営業利益2,787-10.1%3,099
最終利益1,923-11.9%2,183
EPS57.76-5.0%60.79
- 売上,利益,EPSともに通期会社予測比で上回る
- 新料金プランは6月開始

Full.2020-03会社予測前回予測対市場予測
Guidance億/円前年比億/円Surprise市場
売上45,800-5.39%-45,800Miss-0.6%46,077
営業利益8,300-18.11%-8,300
最終利益5,750-13.35%-5,750Miss-3.1%5,931
EPS175.00-6.81%-175.00Miss-1.7%178.05
- 通期見通しに変更なし
- マーケット予測は期待高でMiss状態が続く

  📌 情報元:NTT DOCOMO, INC. - 株主・投資家情報
      ➤2019年度 第1四半期決算説明会

《株価の動き》

- 発表後となる週明け7/29の株価は最大-1.19%(終値-0.45%)

💬 チキンハート(CH)の思うところ

まずまずの決算だと思います。

料金引き下げの影響は事前の会社予測を下回ることなく、当初マーケットから悲観されたレベルにはないようです。

この調子でいけば配当性向も60-70%近辺におさまりそう。(昨期は56.85%)

業績悪化懸念の材料があるとすれば、料金引き下げよりも5G移行などのコスト増による利益圧迫の方だと思います。

マーケット全体の調整も見ながら買い増しを検討します。

8/1のKDDI(9433)の決算も期待しています。



  ドコモ(9437)の決算発表直後の的外れな日経記事


ドコモ(9437)の決算発表直後に以下の日経記事が掲載されました。

  📰 ニュース元:日経新聞 - マーケット
      ➤NTTドコモ、新料金プランの誤算
      (全文閲覧にはログインが必要です)

決算発表からわずか20分後の発信ですから、決算内容など検証もせずに最初から人目を誘うタイトルの記事を作っておいて短信の数字だけ入れ込んだかのような記事です。

まずもって、ドコモ(9437)は4月の決算発表時に例の料金引き下げによる影響、2020年3月期の減収減益の会社予測(上記)を出しており、その予測から今回の四半期決算は売上もEPSもすべて上回る内容、むしろ好決算と言ってもいいくらいです。

この記事が指す"誤算"が今回のドコモ(9437)の決算、プレゼン資料においてどの部分を解釈しているのかが不可解であり、決算を報じる記事としては極めて的外れだと思います。

下方修正や経営陣の弱気姿勢があったのなら"誤算"と報じる意味もわかりますが、記事が指摘するのは既出の悪材料の蒸し返しで今回の決算での新しい情報に基づくものではありません。

決算発表直後というタイミングからしても狙いすましたかのような他意を感じます。



いつの頃からか日経記事は本来発信すべき情報の客観性と即時性を欠いているようで、某新聞社かのような記者自身の思想や指向を伝えたいだけの記事が多くなったように見受けられます。


ちなみに今回の記事を書いた記者さんについて、経済記事批評サイトの記者評価によると"D評価(問題あり)"となっています。

  🌏 参考:メディアを育てる経済記事批評
      ➤経済メディア書き手格付け(50音順)

問題の記者さんはソフトバンクG(9984)の記事が多いようなので、そういった贔屓目の思惑が見え隠れしているなら、もはやわたしたち素人のブログレベルです。

決算発表直後にあのタイトルは目立ちますから・・・

(投資と情報収集は自己責任で)


というわけで、日経記事といえども目をひくような過剰なタイトルには注意しないといけないようです。

LINK

Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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