2019-04-16

減配に至った過程を検証(その2):ゼネラル・エレクトリック(GE)と明光ネットワーク(4668)の場合

Grüß Gott / Hello

昨日はローソン(2651)が減配に至った過程を検証してみましたが、比較の意味でゼネラル・エレクトリック(GE)明光ネットワーク(4668)の場合を診てみます。

  目 次



  ふりかえり:ローソン(2651)の場合


昨日はローソン(2651)が減配に至った過程を検証してみました。

わたしなりの導き出した結論としては

POINT
  • 投資CF拡大や特損もないのにEPSが減少し、配当性向が100%に接近していたこと
  • ROAが急降下し不良水準の2%未満に低迷していたこと
  • 継続的な自社株買いの実績がなかったこと
  • 経営者の短期的な交代



この現象が他の減配銘柄にも当てはまるかどうかをゼネラル・エレクトリック(GE)と明光ネットワーク(4668)で比較してみたいと思います。

  ゼネラル・エレクトリック(GE)の場合


かのトーマス・エジソンが創業したゼネラル・エレクトリック(GE)は、昨年除外されるまでNYダウ開始時からの構成銘柄であり、アメリカを代表する指折りの投資信頼度を誇っていました。

ところが、多角経営が重しとなったのか、リーマンショックで衝撃の赤字転落、2009年に70%減配で32年連続増配が途切れました。

その後、再建を目指し年10%超のペースで復配を進めましたが、2015年に再び赤字に転落し2017年に50%減配します。

さらに2018年には90%減配し四半期で1株あたり$0.01とほぼ無配に近い状況に陥り、長年守り続けていた大手の債券格付けもAAAランクから転落してしまいました。

ここでは2017年の減配の過程を検証してみます。

📍 配当と自社株買い

📍 キャッシュフロー

📍 利益率とROA

- 2015に赤字に陥り、配当性向とROAはマイナス域に転落
- 2016に一旦黒字も、配当性向は100%超でROAは2%未満の低位を彷徨う
- 2017に再び赤字に陥り、リーマンショック以来の減配

- この間、投資CFに大きな変化はないが、事業売却による特損を記録
- 自社株買いはそれなりに実施していたと思われる

投資CFに大きな変化もなく配当性向が100%超え(or赤字)、ROAが不良域に低迷していた点は減配発表前のローソン(2651)と共通の現象が見られます。

アメリカの場合ははっきり赤字になるまでは減配せずに頑張るようです。理由は減配=経営陣クビを意味するからでしょう。

📍 経営者交代
・2001年9月 ジェフ・イメルト氏がCEO就任…ジャック・ウェルチ氏が退任
・2017年8月 ジョン・フラナリー氏がCEO就任
・2018年10月 ラリー・カルプ氏がCEO就任

減配との因果関係まではわかりませんが、減配前後に経営者交代が起きていたことは事実です。

  明光ネットワーク(4668)の場合


明光ネットワーク(4668)は配当銘柄としては知名度は低いですが20年連続増配を継続していました。

しかし、今期(2019.8)減益を受け28%減配を発表するに至り、継続していた連続増配は途切れます。

📍 配当と自社株買い

📍 キャッシュフロー

📍 利益率とROA

- 2016.8期に配当性向100%超 → 前年(2015.8期)に投資CFの拡大有
- 2018.8期に配当性向170%に達し、ROAが急激な落ち込み

- 継続的な自社株買いの実施は無い

2018.8期のROAは3.52%と決して不良域ではありませんが、5年前比では-73%もの落ち込みようでした。ちなみにローソン(2651)は5年前比で-69%の落ち込みでした。

📍 経営者交代
2015年11月 渡辺弘毅氏 社長→会長就任…創業者
2015年11月 田上節朗氏 社長就任
2018年11月 山下一仁氏 社長就任…田上氏退任

明光ネットワーク(4668)も減配前に経営者の交代が発生していました。

ローソン(2651)もそうでしたが、経営が傾く数年前に張り切って?積極投資や事業転換を仕掛けた新経営者がおり、思わしくない結果=業績悪化とともに減配に繋がっているような気もします。

やはり短期間での経営者交代は重要なサインかもしれないですね。(もちろん、経営者交代で業績好転の良いケースもあるかと思いますが)


メモ
📌 ソフトバンクG(9984)のROEとROA

今年2月、孫正義CEOはROEを根拠にソフトバンクG(9984)の株価は安すぎるとアピールしました。

たしかにROEは23.69%と高いですが、ROAは3.72%と並みなのです。

ただし、同社を金融セクターと見れば良いROAになります。この辺をどう評価するかがとても難しいです。

  減配リスクを注意したい高配当銘柄のスクリーニング


「異常な配当性向」「不良ROA」をキーにスクリーニングしてみました。

★投資CFの一時的な上昇などの要因は無視していますのでご注意ください。

📍 減配リスクを注意したい高配当銘柄
TickerSectorFwdP/EDiv.YPay.REPSROAOp.MYrs.eYrs.
CPBConsumer15.693.51%(-)-0.56-1.10%2.00%05
NWLConsumer10.316.06%(-)-14.96-26.20%-0.90828
CVSHealthcare7.443.69%(-)-0.65-0.40%2.10%021
CAHHealthcare8.764.06%(-)-0.09-0.10%0.60%3232
WHRIndustrial8.093.37%(-)-2.56-1.00%0.013836
CCITechnology66.043.53%316.20%1.351.70%24.50%44
CTLTechnology9.298.35%(-)-1.54-2.40%2.40%05
NLSNTechnology14.175.28%(-)-2.776-4.40%-0.07366
※Pay.Oは配当性向, Op.Mは営業利益率
※Yrs.は連続増配年数, eYrs.は減配していない年数
※スクリーニング条件
・S&P500採用で時価総額$2bin以上
・配当利回り3.00%以上
・過去5年間に減配がないこと
・配当性向が90%以上、または赤字マイナス
・ROAが2.00%以下
・金融と公益セクターは除外(ROA低位が普通なので)

配当性向が100%超というより、ほとんど赤字の企業がヒットしています。

アンディ・ウォーホルの絵のこともあって、キャンベルスープ(CPB)などは個人的には魅力を感じる企業ですけど、配当実績的には結構危ういです。


日本株の方は意外にも当てはまるものがありませんでした。

パチンコ機器の平和(6412)SANKYO(6417)が今期ではヒットしましたが、来期予測では警戒条件から脱しています。

もっとも、予測どおりにいかないから減配に至るのでしょうけど・・・

(投資は自己責任で)

というわけで、減配しないようにみんな頑張って!

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Danke schön und Auf Wiedersehen / Thanks and See you

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